第十四話「焼き鳥屋フェニックス……うん、良い屋台看板だと思うけど」
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リアスちゃんが呆れた視線を向けてくる。木場くんも苦笑いをしていた。
「お嬢様、こちらの方は?」
メイドさんが無機質な目で僕を見てくる。むむっ! なんじゃい、やるんかわれー。喧嘩ならかったるでー。
メイドさんをキッと睨んでファインティングポーズを取り、そのまま虚空に拳を突き出して華麗なシャドーを始める。朱乃お姉ちゃんの膝上で。
にっふっふ、僕のこの見事なシャドーを見てぐうの音も出ないようだね。まあ、それもそのはずだ。なにせ昨日徹夜して『はじめの一歩』を全巻読んだのだから!
今なら鷹村も倒せるに違いない。
「……この子が姫咲レイよ」
なんだかひどく疲れたご様子のリアスちゃん。ちゃんと寝ているのかな? ちなみに僕は眠いです!
「この方が、姫咲レイ様でしたか……。はじめまして、私はグレモリー家に仕える者で、グレイフィアと申します。以後お見知りおきを」
「姫咲レイだよー。よろしく〜」
丁寧に頭を下げるメイドさんにシャドーを止めた僕は片手を上げた。
† † †
相変わらずのカオスっぷりを発揮したレイはそのまま寝入ってしまった。朱乃さんはレイを膝から降ろすと、そのまま頭を自分の膝の上に乗せる。
くっ、膝枕だなんてなんて羨ましい! すやすや気持ちよさそうに寝やがってぇえええ!
部長はこの場にいる部員の顔を見渡し、口を開く。
「さて、全員揃ったわね。部活を始める前に話があるの。実は――」
部長が何かを口にしようとしたときだった。突如、床に描かれた魔方陣が光り出す。
――転移現象?
部室の床に描かれている魔方陣はグレモリーの紋様だ。しかし、突如輝きだした魔方陣はグレモリーの紋様から見知らぬ形へ姿を変えた。
その紋様を見た木場が小さく言葉を盛らした。
「――フェニックス」
フェニックス? それって不死鳥と言われる、あの?
魔方陣から人影が姿を現すとともに炎が巻き起こった。
熱ッ! 熱ッ!
室内を熱気が包み、火の粉が俺の肌を舐める。
炎の中で佇むシルエットは人型。そいつが横薙ぎに腕を振るうと、周囲を取り巻く炎は霧散した。
「ふぅ、人間界も久しぶりだな」
現れたのは紅いスーツに身を包んだ一人の男だった。見た感じは二十代前半。スーツを着崩れしているためか、ネクタイは付けず胸元までシャツを大胆に開けている。
一八〇はある身長に、イケメンと呼んで差し支えのない顔立ちをし
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