第十三話「イッセー好みの展開では?」
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――確かに性欲があるのか分からないな。
「……まだ足りない所もあるけれど、素質は十分ありそうだしね」
ああ、ついに俺も大人への階段を上るのか……。元浜、松田、俺は一足先にいってくるぜ!
ついに我慢の臨界点を突破し部長を押し返そうとしたその時だった。
部屋の床が再び光り輝き、再度グレモリー眷属の紋様が浮かび出す。
「……一足遅かったみたいね」
忌々しげに魔方陣を見つめる部長。そして陣の中央から現れたのは――見たことのない銀髪のメイドさんだった。
銀髪のメイドさんは俺と部長の姿を確認すると、静かに口を開く。
「ようやく見つけましたよ、お嬢様。こんなことをして破談に持ち越そうというわけですか?」
「こうでもしないと、お父さまもお兄さまも私の意見を聞いてくれないでしょう?」
「だからといって、このような下賤な輩に操を捧げると知れれば旦那様とサーゼクスさまが悲しまれますよ」
下賤な輩って……そうですか、下賤ですか。
しかし、旦那様にサーゼクスさま? 話から察するに部長のお父さんとお兄さんのようだけれど。
「私の低層は私のものよ、私が認めた相手に捧げて何が悪いのかしら。それと、言葉には気を付けなさいグレイフィア。いくら貴女でも私の可愛い下僕を下賤呼ばわりは許さないわ」
ぶ、部長! 俺の為にそこまで怒ってくれるだなんて、感激です!
「……何はともあれ、あなたはグレモリー家の次期当主なのですから、軽率な行動はお止めください。無暗に殿方に肌を晒すものではありません、只でさえ事の前なのですから」
グレイフィアと呼ばれたメイドさんは脱ぎ捨てられた部長の制服を手に取ると、ソッと彼女の方に掛けた。そして、視線が俺に移る、
「はじめまして、グレモリー家に仕えるグレイフィアと申します。以後、お見知りおきを」
丁寧に頭を下げられた。というか、下賤呼ばわりされたばかりなんですけど。
「はぁ、どうも、兵藤一誠です。ぶちょ――リアス様の〈兵士〉をやっています」
「……兵藤一誠? まさか、この方が?」
ん? なんか驚いた様子でグレイフィアさんが俺を見てくる。
「ええ、彼が兵藤一誠。私の〈兵士〉で現赤龍帝――『赤龍帝の籠手』の使い手よ」
「……『赤龍帝の籠手』、龍の帝王に憑かれし者……」
なんですか、そう人を異質な目で見ないで下さいよ。心が痛いです。
内心、ズーンと落ち込む俺を余所に、二人は話の続きをオカルト研究部の部室ですることに落ち着いたらしい。
「では、そういうことでよろしく。それと、イッセー」
「はい
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