第十三話「イッセー好みの展開では?」
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先週、アーシアちゃんが学校に転入してきた。クラスは僕たちと同じで席はイッセーの隣。ちなみに僕はイッセーの後ろだ。授業中に後ろからちょっかいを仕掛けるのが僕の中の最近の流行です。
アーシアちゃんはその朗らかな性格からか、すぐにクラスの人気者になり多くの男子が彼女とお近付きになろうと迫ったが、その悉くをイッセーが粉砕していった。まるで保護者の立ち位置だね。
リアスちゃんがオカルト研究部員の中で誰の家に住みたいかとアーシアちゃんに聞いたところ、イッセーの家がいいと即答したらしい。生憎、僕はお出かけしていたため後に朱乃お姉ちゃんから聞いた情報だ。そのため、学校に行くときはいつも二人一緒に向かっている。
そして、仲睦まじく並んで歩いている光景を元浜くんや松田くんが血涙を流しながら眺めているんだ。初めて血涙を見たときはビックリしたね。
「アーシアちゃーん! おはよう!」
「おはよう、アーシアさん。今日も一段とブロンドが輝いているね」
イッセーとアーシアちゃんが教室に着いた途端、松田くんと元浜くんがアーシアの元に近づいた。早歩きで近づいてくるのはある種の恐怖を感じると思うんだけど、アーシアちゃんはニコニコと笑顔で挨拶を返している。
「おはようございます、松田さん、元浜さん」
それだけで男の子二人は感涙に咽び泣いた。
「くぅ……元浜よ、やはりあれだなぁ」
「ああ、そうだな、松田君……。美少女からの『おはようございます』はなんと心に染み渡ることか……」
……小さいことで幸せを感じることはいいことだと思うよ? うん。彼らも結構純真な心を持ってるんだねー。
「ぐふっ」
と、唐突に泣き止んだ松田くんがいきなりイッセー脇腹にボディブローを放ち、元浜がローキックを繰り出した。
「い、いきなりなにしやがる!」
苦痛に顔を歪めたイッセーが松田くんたちに抗議するが、彼らは薄ら笑いを浮かべるだけだった。
「ハッハッハ、聞いたよイッセーくん。なんでもアーシアちゃんと毎日登校してるんだって?」
「よく校門から一緒に登校してくるのを見かけ嫉妬のあまりにハンカチを数枚ダメにしてきたが、その訳も今分かるな」
「うむ、その通りだ、同士元浜。では聞こうか、一体なぜ、毎日同じ方向から登校してくるんだ?」
それを聞いたイッセーはニヤリといやらしい笑みを浮かべた。
「ふっふっふ、いいか、松田に元浜。その答えは至極単純にして明快だ。君たちとは目に見えた壁で隔たれてしまったのだよ。これは仕方のないことなんだ」
「な、なにを言ってやがる……!」
「そ、そうだぞ、イッセー、いく
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