第二章 A's編
第四十話 『スーパー銭湯(後編)』
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おそらく隠している原因は私の推測だけどはやての足を治そうとしているのかもしれない。だからはやてには話せないのだろう。
はやては優しい子…。だからきっと蒐集していると知られたら罪を感じてしまうと思ったのだろう。だから守護騎士達の行動は独断。
こう考えれば辻褄は合う。
そしてこれからの問題は私がリンディさんやなのは達に隠し通せるか、その一点に限られてくる。
今夜は気合を入れて話をしないと。
「すずかー、シホー」
「アリサちゃん」
「あ、アリサ」
「誰かお知り合い?」
「うん。前に話したはやてちゃん」
「あー、なんだ。もう少し早く来ていれば挨拶できたのに」
「でも、こんな所で挨拶もなんだからまた近いうちにね」
「そうだね。ところでシホ。あんたなにか顔色が優れないけどどうしたの?」
「あ、うん。ちょっと考え事をね」
「あんたの考え事は結構深いからあんまり根を詰めるんじゃないわよ?」
「うん。わかったわ」
アリサに気づかれるとは。気をつけないと…。
「で、さ。なのは達がまた見当たらないんだけど何処だろう? そろそろみんなで色々回りたいのに…」
アリサが残念そうに言う。確かにあの二人は中では見かけなかったけどどこにいるのだろう。
「えっと、さっきとは別の洗い場にいたよ。ほら、あそこ」
すずかの指差したほうには、いまだに洗いっこしている二人の姿が映った。
本当に仲がいいわね。
それに沸点が少しばかり低いアリサがむくれた顔になり桶にお湯を入れだし周囲に迷惑がかからないように配慮してターゲットを絞り、
「せーの!」
その桶のお湯を二人に向かってぶちまけた。
当然かけられた二人は、
「にゃああ!!!」
「きゃああ!!!」
と悲鳴を上げた。
「よっし命中!」
「あ、アリサ…?」
「アリサちゃん…?」
「もういつまで洗いっこしてんの」
「アリサちゃん、早くみんなでいろんなお風呂に入りたいって」
「そうらしいわよ」
それで二人は赤い顔をしながら、
「あはは、ごめんね」
「ごめん、つい」
「そんな洗いっこなんて家が近所なんだから家庭の事情が許せば毎晩だってできるでしょう。折角スパラクーアに来てるんだからここならではの施設を楽しまなくっちゃ」
「そうだね」
「毎晩でも…」
「今日は譲り合ってないで一緒に入ればよかったんだね」
「う、うん」
「じゃ練習の後とかウチとかフェイトちゃんの家で一緒に入ろうか」
「うん!」
フェイトは嬉しそうに顔を綻ばしている。
仲良き事は良きかな。
「そういえば、フェイト。さっきエイミィさんに聞いたんだけど一人で髪を洗えないとか」
「エイミィ、なんで皆に言いふらしてるの…」
「フェイトちゃん、髪長いもんね」
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