暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
全てへの岐路
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った様々なプレッシャーに悩まされる。

並大抵の人間ならば心が折れるだろう。だから、手当たりしだいと言う訳にもいかない。

次に、どのようにしてその人物に協力を仰ぐか、だ。

仮にもレンも六王の一角だ。辻デュエルなどで負ける確率なんて、万が一にも無い。となると思いつくのは、俗に言う八百長くらいだ。

レンとその相手が示し合わせ、レンが観客に負けたように見せかける。だが、そこまでして六王に入りたい者など、ただの目立ちたがり屋だ。

このあまりにも大きな壁にぶつかり、レン達の思考はストップした。

とりあえず、方法はわしが考えておくから皆はもう寝なさい。というシゲさんの声とともに一応は解散したのだが、妙案は思いつかずにいた。

そして夜が明けた翌日。

荒々しいノックで叩き起こされたレンがドアを開けると、そこには屈強な男達が。

ついて来い、と言う男達に連れられ、もとい連行され、たどり着いたのは《尖白塔》。

そして放り込まれるように入れられた最上階の、六王会議室でヴォルティスが放った言葉で冒頭に戻るわけだ。

いまだ状況が把握できてないレンは、思わず周囲を見渡す。

いつもの円形テーブルにはレン以外のメンバーが全員そろい、一様にこちらを見ていた。

訳が分からず、思わずシゲクニを見る。

シゲさんは深い年輪の刻まれた顔をにこりと笑わせ、しっかりと頷く。

その両隣に座るテオドラとユウキもウインクする。

「…………???」

意味が解からず、クエスチョンマークを複数頭上に浮かばせているレンに構わず、ヴォルティス卿は素っ気無く言う。

「卿は先の討伐戦で一人、全体への利益を考察せず、敵首領との戦闘を試み、戦線を混乱させた。よって、卿は本日より六王を解任する」

「……………………!!」

ハッとしてレンは改めて、シゲさんを見た。

通称《老僧(ろうそう)千手(せんじゅ)》は、ただ穏やかに微笑んでいた。

そして、ヴォルティス卿さえも重苦しいオーラの向こうで少しだけ笑っていた。

そのそれぞれの笑顔を見て、レンは全てを理解した。

前述したとおり、六王からの脱退は至難を極める。だからヴォルティスが言ったような、敵大将と一騎打ちみたいなシチュエーションになったところで、脱退なんてあるわけが無い。

だいたい、そのために設立されたのが六王というシステムなのだ。しかも追記するとしたら、あの日、レンがした助言によって助かった命は少なくないはずだ。

感謝される覚えはあるが、脱退させられるような覚えは無い。

つまり、そう言うことなのだ。

脱退させられるような理由など無いのに、脱退させられる。

シゲさんの根回しがあることは火を見るより明らかだ。おそらく、
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