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人間なんだ。予想できる結末よりも誰もわからない結末がみたいんだ」

「……」

 正直、この声が言ってることはわからない。しかも、この声がどんな人物かも掴めない。声は用がなくなったのか言った。

「じゃあ、俺はもう用がなくなったから帰るぜ」

「待って!」

 ユキは声の人物を呼び止める。声は何だ、と言ってこの場所に止まっている、気がする。なのでお礼を言った。

「ありがとう。誰だかわからないけど、教えてくれて……」

「まあ、俺はそれを言われるような人間じゃないがその言葉は素直に受け取っておくよ」

 そう言って声はこの場所から姿を消した。そしてユキは再び祈るように手を合わせた。

『必ず、必ず助けに来てください……ゲツガ君』


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 とある暗い部屋でパソコンの画面に向かっていた男はマイク付きヘッドホンを外して大きく息を吐いた。

「あのSAOの中に出ていた優の裏の野郎を探してたらたまたま、優の彼女らしき野郎を見つけたから話したけど、まあ、暇つぶしにはなったな」

 そう言って机に置かれた水の入ったペットボトルのふたを開け、飲む。

「早く辿り着けよ、優。お前が辿り着かなきゃあいつらが出てこないかもしれないからな」

 そう言って男は部屋から出て行った。パソコンの画面にはたくさんのウィンドウの中に一つの写真が開かれていた。その中に、獣のような目をしたゲツガと紅衣の騎士が戦っている写真があった。
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