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東方守勢録
第四部
第一話
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「ちょっと!私が聞いた時よりもずいぶん丁寧じゃないですか?」

「文さんは文さんですので」


椛は相変わらず上司に厳しい一言を口にしていた。


「まあ、これで一安心だな」

「そうだね。そうだ、ちょうどいいからこれ返しとくよ」


にとりはそう言うと、ポケットから銃を取り出し俊司に渡した。


「ああ、メンテナンス終わったのか」

「そこまで痛んでなかったからね。あと、少し機能を増やしてるよ」

「機能?」

「それは俺が説明するよ。ちょっと貸して」


悠斗は俊司から銃を受け取ると、ある部分を見せながら話し始めた。


「ここにモードセレクトがあるだろ?」

「はい。……あれ?セーフティ以外にもなにかありますね……」

「ああ。ここに切り替えたら、非殺傷の武器として使えるようになる」

「そうなんですか!それは楽ですね……」


俊司は、紫達が革命軍の兵士を殺さないようにしていることから、自分もそうするようにしていた。だが、持っていた銃は殺傷可能だったため、あまり思い切った行動はできていなかったのだ。


「ですが……どうやって?」

「ここに切り替えたら俺の能力が発動できるようにして、殺傷に鍵をかけるようにしたんだ。にとりさんに頼んでみたら実現できてね。大したものだよ」

「そんなことないよ。これで、気にせず使えるでしょ?」

「ああ。助かるよ」

「さて、話も一段落ついたところで、朝ごはんにしましょうか」

「そうですね。椛の分はあとで持ってきますから待っててくださいね」

「はい。ありがとうございます」


一同はそのままたわいない会話をしながら部屋を後にした。

その日の夕食後、俊司は文に呼ばれて中庭に来ていた。


「どうしたんだ文?」

「はい。次の作戦の前にしておきたいことがありまして、協力してもらいたいのですが……」

「協力?」

「はい。まずはこれを見てもらえますか?」


文はそう言っていつも書き込んでいる手帳を俊司に見せた。

そこには革命軍に対してのいろいろな情報や、今の幻想郷の状態が記されていた。


「これがどうかしたのか?」

「はい。ここにあるのは三ヶ月前くらいの情報です。つまり、古いんですよ」

「なるほどな……で?俺がやることって情報集めか?」

「話が早いですね。本来ならば情報収集するのは私のような烏天狗の役割なんですが……今の状況をみるとそんなこと言ってられませんので、手伝ってもらえたらなと……」

「ああ。いいよ」


情報は時には武器になる。過去二回の作戦も情報があってこその勝利だった。俊司は情報集めをすることでさらに良い結果を生み
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