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道化師
第一幕その六
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めっ面に変えて。笑うんだよ、道化師は!」
 カニオであるのか道化師であるのか。それすらもわからなくなっていた。
「笑えよ道化師!御前の愛の終焉に!笑うんだよ、俺の心を苦しめる悩みと絶望に!笑えばいいだろ、道化師よ!」
 鏡に映る道化師は泣いていた。テーブルを叩いて泣いていた。
「糞っ!」
 また叫んだ。鏡を拳で叩き割った。
 そこに映るカニオ、いや道化師は泣いていた。壊れた鏡に散り散りになった彼が映っていた。
 その全ての鏡で泣いていた。人を笑わせる筈の道化師が泣いていた。何をしていいのか、何を笑えばいいのかわからずに。

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