閑話
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葉にショックで手をつき顔を伏せる……ように演技をする。この2ヶ月間ずっと喪失感しか生まなかったものが一瞬にして希望へと生まれ変わった。ヒースクリフが内部からナーヴギアを操作してリクヤを助けてくれたのか、それとも消えたと言っていたソラが何かしらの方法で助けてくれたのか、それはまったく判らない。でもそれでも……
『リクヤは生きている』
この事実だけでも気持ちの持ちようは違ってくる。最初、非人道的な実験の内容を聞かされたときや今さっき結婚話のときは正直やけになってどうしてくれようが構わない、と言う気持ちも少々あったがもうそんな気持ちは持たない、来てくれるときまで私は私なりの方法で戦ってみせる、という気持ちになった。
だが…
「と、思っていたらどうやらあの2人、ALOに入ってきているみたいなんだよ。恐らく…君たちを助けにね」
そう、全てを見透かしているような感情を込めた言葉とともに私の頭を捕まえて無理やり目を合わせられる。
「ここまで来るにはシステムを解除しなければならないのだが…彼らは何するかわからないからね、一応保険をかけておこうかな…」
その言葉と同時に、フクザツな英数字の文字羅列を呟いた瞬間、異変は起きた。
「…な、…なに…こ…れ」
何かが…私の中に入ってくる!?
「ああああああっ!!!」
どす黒くて気持ち悪い何かがどんどん私の中を侵略してくる。視界がどんどん黒に染まっていき次第にかすかに見えていたあの男の姿も見えなくなり、続いて思考までもが霧のようなものに支配されようとしている。
「いやっ…イヤァァァァァァァァァ!!!」
記憶が黒い霧に包まれては消えていく。あの家で皆で過ごした時間、ボスを倒して皆で喜び合ったこと…他にもたくさん大切な思い出が……。
「さぁて……明後日までのお別れかな、お人形さん」
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