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Silent 60'S mind
猟犬のお巡りさん(その2)
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にハイウェイ・スターで追跡しているぜ。杜王グランドホテルのほうに向かっているみたいだな」
「ホテル! 急いで向かって! あそこには静さんが宿泊してるんだ! 彼女が狙われるかも知れない! あと充電器持ってない? 車から充電する奴、あったら貸してほしいなぁ」


 携帯電話がテーブルの上で鳴った。私は手を洗った直後で、タオルで水気をぬぐってから携帯電話を手に取った。

「もしもし、静です」
『あ、静さん? 無事かな』
「無事? ええ、無事ですよ。でも今はちょっと忙しいので後にしてほしいのですが」
『そんな悠長な事言ってる場合じゃないんだ、無敵のスタンド使いだ! どうすればいいのか分からないんだよ、人を不幸にする能力なんだ!』
「人を不幸にする? ……まぁ、何はともあれ、用事があるのなら来てください。私は今忙しいのです」
『え、あ、ちょっと――?』

 ピっと通話を切ってまたテーブルの上に携帯を置いた。すぐ横には先ほど『使った』大型のガラスで出来た灰皿が置いてあった。私は煙草を吸わないので灰一つ落ちていない。それに先ほど『洗った』ばかりでもあった。

 広瀬康一が姿を見せたのは、それから十分後くらいの事だった。慌てて私の部屋に来るなり、なにやら身辺の守りを固めろという。私はそんな彼より、後ろに付き添うような形で一緒にいる警察官が気になった。何故、警官がここにいるのだろうか。広瀬康一の知り合いだろうか。もしそうでなかった場合、少々まずい事になる。

「あのですね、スタンド使いに襲われたみたいなんですけど、どこにいるか分からないんです。ホテルの中にいるみたいなんですよ。静さんは誰かに会ってませんか?」

 そういう広瀬さんを押しやるように、警官が前に出てきた。私を鋭い目で睨んでいる。

「待て、康一。スタンド使いはもうこの部屋の中にいるみたいだぜ。ガムの臭いがぷんぷんする。それに――血の臭いもだ」
「血!? 静さん、もしかして襲われたの? どこか怪我してるのか?」
「クローゼットの中だ。開けるぜ、いいな?」

 私は頷いた。どうやら警官は広瀬さんの友人らしい。ならば、見られても困らない。

 警官がクローゼットを開けると、だらりと力の入っていない男が転がり出てきた。

「こ、これは! あの、静さん、コイツなんですか? その、もしかして死んでる?」
「生きてますよ。呼吸はしてます。その方、この部屋のドアノブにガムをくっつけようとしていたんです。あと床にもガムを噛んで吐き出してました」
「……だからってあんなでかいガラスの灰皿で頭打ち付けるか普通よォ。あの灰皿からも血の臭いがするぜ。洗ったんだろうけどよ、薄く臭い立つもんだ。何者だアンタ……危ねえ奴なのか?」
「静さん――確信があったの? こいつがスタンド使い
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