Chapter.1 邂逅
10話「襲撃」
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だ。
どんどん青くなっていくユーゼリアの顔をにやにやと眺めていた頭が、短剣を握り直す。それを見た部下たちも顔を引き締めた。ユーゼリアの顔が、いよいよ危機迫ったものになった。
男たちの足に力が込められた、その瞬間。
「……やれやれ、まだ18の女の子に寄ってたかって大の大人が…リンチか? カツアゲか? わざわざこんな結界を張るなんて、最近のカツアゲは力の入れ具合が違うなぁ」
その場にいたすべての者が街路方面に顔を向けた。男たちは驚愕の面持ちで、そして、ユーゼリアはどうして、という表情で。
「なっ……! 結界は!?」
「破られた感覚はなかったぞ!?」
「くぐり抜けたとでも言うのか!? 5人分の魔力だぞ!」
「嘘……アッシュ……?」
ユーゼリアは、こぼれ落ちるような蒼の瞳を限界まで見開いた。
「よう。ちょっとそこで観戦させてもらってたけど、なかなかどうして近接もいけるクチじゃないか。奴さん、気配は消していたとは言え、余裕かましすぎだろ。ずっとここに俺がいたってのに。そんなに影が薄いかね? 悲しいこった」
「……おいてめぇ」
肩をすくませてユーゼリアに話しかけるアシュレイに、どすのきいた声で頭が喋った。すたすたと散歩をするようにユーゼリアのもとへ歩きながら、首だけそちらに向ける。
「なんだ?」
「…いつからいた?」
「そうだな。ユリィのことを『王女』って呼んだあたりから?」
言外に“最初から”と言われた頭は、グッと拳を握った。
「……結界はどうした」
「お前らだって馬鹿じゃないんだ。自分達の魔力で構成した結界が割れてないことくらい流石にわかるだろ? なら答えは1つだ」
「馬鹿な! 結界をくぐり抜けるなんて業、張った結界を構成した魔力の倍以上の魔力を必要とするんだぞ!?」
部下がヒステリックに叫んだ。ありえないものを見るかのような目でアシュレイを見ながら。頭は無言のままだった。
「……どちらにしろ、俺たちの仕事は変わらない。多少やることが増えただけだ」
短剣を構える男達に、座り込んだままのユーゼリアを庇うように前に立つと、くいくいと、人差し指を挑発的に動かした。
「だ…だめよ。アッシュ、逃げなさい! いくらなんでもC相当の相手を5人もなんて……」
後ろから響く声は、心なしか普段よりも震えているように聞こえた。無防備にも敵に背を向け、未だ立てないユーゼリアの頭をぽんぽんとたたく。蒼の双眸が、アシュレイの黒と交わった。
それだけして、また黒髪の男は前を向く。その表情は、彼の眼前の男たち以外見る者はいなくな
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