第八十九話 ダーボル城塞
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
早速、プラーカへ向かわせます」
シャルルンホルストはすぐに命令を下し、騎士を数名プラーカに向かわせ、アルブレヒトに接近する工作を始めた。
……
ゲルマニア騎士団がダーボル地方を重点的に捜索した結果、幾つかの報告がフリードリヒに上がってきた。
その報告の中に、『昨日まで在った空き城が、夜が明けたら消えていた』、よいう不可解な報告が上がり、フリードリヒはシャルルンホルストを従えその地に赴いた。
「……ここだな? 報告にあった消えた城が在った場所は」
「そうです。土地の者に聞いたところ、朝起きたら城が消えていたとの事です」
「しかし、消えたとは不可解な報告だな、どういう意味だ」
「そのままの意味だと思われます。恐らく報告にあった空き城に例の武装集団が占拠していたのでしょう」
「土地の者には、山賊辺りが住み着いたと報告は無かったのか?」
「その辺りの事は報告にございませんでした」
「……元々は戦闘が専門の騎士か、そこまで考えが回らなかったか」
騎士団に不得手な仕事を押し付けられた事を改めてお思い知り、フリードリヒはため息を付きたくなった。
「しかし、巨大な城を移動させたのか、それとも証拠隠滅の為に城ごと消滅させたのか、疑問はつきません」
「……ともかく、城があった場所に降りてみるか」
フリードリヒは火竜の背から下界を覗くと、そこには何か巨大な物で大地をえぐった様な跡が残されていた。
「見事に何も無いな」
「団長見てください、微妙にですが草が重いもので踏み倒された跡があります」
シャルルンホルストの指差す先には、何か大きなもので踏み潰された草の跡があり、それは山の向こう側にまで続いていた。
「まさか城に足が生えたとでも言うのか?」
「まさかその様な……」
「無いとも言い切れないが……よほど急いでいたのか、それとも阿呆なだけなのか、足跡を消す事を怠ったようだ」
「どうしますか? 足跡を追いましょうか?」
「そうだな……」
シャルルンホルスト尋ねると、フリードリヒは考える素振りをした。
(徹底的に捜索すれば見つけることは可能だが、叔父上の利益になるような事はしたくないな……ん?)
フリードリヒが空を見上げると、シャルルンホルストも釣られて空を見上げた。
空には伝令用の飛竜を駆る騎士が、フリードリヒ達の所まで飛んできた。
「騎乗にて失礼いたします! ポラン地方で地方貴族が反乱との事です!」
「……! 伝令ご苦労!」
「ははっ!」
伝令の騎士は一礼すると、飛竜を空中で翻し何処かへ飛んでいってしまった。
「聞いたな副団長」
「はい、ボヘニアといい、先ほどのポランとい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ