第八十九話 ダーボル城塞
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人を含めた七人の選帝侯で、先に多数派工作を行っていれば問題ない。
二時間後、ヴィルヘルムを含めたブランデンブルク軍とゲルマニア騎士団はプラーカを離れ、謎の武装集団の姿を求めてボヘニア全土へ散らばっていった。
再び、プラーカの主となったアルブレヒトは、各選帝侯へ使者を飛ばし地固めを確実の物とした。
☆ ☆ ☆
帝政ゲルマニア、ボヘニアのとある地方に『ダーボル』と呼ばれる地方がある。
チェック貴族のダーボルはこの地の出身で、代々、姓をこの地から取ったいた。
プラーカを脱出した碧眼のヂシュカを始めとする独立派の人々は、この地のダーボル城塞に身を隠し、ゲリラ戦を行いながら反撃の時を窺っていた。
「おお〜い、戻ってきたぞぉ〜!」
城門で見張りをしていた男が、ゲリラ作戦から帰ってきたヂシュカを主将とする小部隊を見て、城塞内の人々に大声で知らせた。
ヂシュカが指揮する小部隊は、オーストリ軍の輜重隊を襲撃すると、食料の奪取に成功し意気揚々とダーボル城塞に帰還した。
「よく戻って来たな!」
「しかも、戦利品付きよ!」
襲撃部隊はダーボル城塞の門をくぐると、老若男女様々なチェック人達がヂシュカ達を称えた。
ダーボル城塞にはチェック貴族だけでなく、チェック人の農民も多く寄せていて、敷地内でフシテツ神父の遺産であるジャガイモの栽培したり様々な雑用をしたりと、ダーボル城塞はかなりの大所帯と化していた。
左目を眼帯で覆い、赤茶色の髪を短く切ったヂシュカは、食料を満載した馬車の前に立ち、あれこれ命令を下すと解散を命じた。
「よし、奪った食料を食糧倉庫に入れたら解散だ」
『うぇ〜い』
ヂシュカの命令にチェック貴族や平民の兵士も声を上げて答え、馬車に積み込んだ戦利品の食料を食料庫まで移動させる作業に入った。
ヂシュカは後始末を部下達に任せると、城塞内に入りそのままの足で留守番のダーボルの所へ向かった。
城主の部屋に居たダーボルは、取り巻きの貴族達とテーブルの上に無造作に山積みされたエキュー金貨で金勘定をしていた。
「今戻った……、と、それはなんだ?」
「見て分からんか? 金だ」
「いや見れば分かる。私が言いたいのは、何処からそんな大金を用意したのかだ」
ヂシュカのもっともな答えを聞いたダーボルは、ドヤ顔をしてエキュー金貨を手に入れた経緯を話し出した。
「お前が留守の間、部下を四方へ飛ばし、資金提供を募ったその成果だ。ゲルマニアの支配を憎む者達は多く、10万エキュー以上をポンと渡してくれた者も居たぞ」
ダーボルの説
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