第十六話 入学式
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運べるという意味のつもりだったのだが……。
「今の見た目は女子だが、一応神代は男子のクラス委員だからな。それで初春、他に誰か選ばないのか? 佐天が選んでもいいぞ」
何というか、このクラスは俺が女性化してることについて、あまりにも順応し過ぎてるような気がする。アレイスターや土御門さんが何とかしたと考えようにも、何とかできるような問題ではないはずだし、そもそもこんなところまで介入してくるとも考えにくい。これは学園都市特有のノリだったりするのだろうか。
「それなら、アケミとむーちゃんとマコちん!」
先生に言われて佐天さんがすぐに指をさしながら三人の名前を挙げた。
「る……るいこー」
一気に脱力した三人の内の一人、多分むーちゃん……が恨めしそうに佐天さんの名前を呼んだ。
「あのー、よろしくお願いします」
「しょうがないわね」
「しかたないなぁ」
「拒否権ないんだもんねぇ」
初春さんも三人に頼むことにしたようだ。それにより、三人もしぶしぶながら引き受けることになった。
「そんなに落ち込むな。どうせ取りに行くと言っても、廊下の端にある生徒指導室だからな」
「はーい」
先生の言葉で、選ばれたメンバー全員が返事をする。俺は普通に、初春さんはちょっと張り切っている様子で、そして、その他のメンバーは明らかにやる気のなさそうな返事だった。
「それじゃー、行きますか」
そう言って俺が歩き出すと、後ろに初春さんと佐天さん、そのあとにアケミ・むーちゃん・マコちんの三人組が続く。
廊下を歩いていくと『生徒指導室』と書かれたプレートが掛かっている教室に到着した。扉は開いていてそのまま中に入ると、各クラスのクラス委員とその手伝いの人たちでにぎわっていた。力仕事になることが予想できているからなのか、他のクラスでは女子のクラス委員以外、荷物持ちには男子を連れてきているようだ。
「あなた達、クラスは?」
「あ、1年D組です」
教科書の入ったダンボールを渡している先生に声をかけられたので、初春さんがクラスを答えた。
「あら、そう。Dは女子ばっかりなのね。男子は後から来るの?」
「いえ、ウチは神代姫羅ですって言えば分かりますか?」
この先生は俺もただの女子だと思っているようだ。しかし、学校側には俺のことが伝わっているはずなので、名前だけ出して反応をうかがってみる。
「ああ、そうなのね。それじゃー、D組の分はここにあるからこれを持っていってちょうだい」
やはりちゃんと伝わってはいたようで、先生はすぐに理解してくれた。そして、教科書の入ったダンボールが積まれた場所を指差した。
「分かりました」
教科書の量は思ったよりも多かっ
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