第十六話 入学式
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が、実は結構積極的だったりするのだろうか。
「他には居ないか? 居ないなら女子は初春で決まりだな。男子のほうは立候補するやつ居ないのか?」
女子のクラス委員が初春さんに決まり、男子のクラス委員を決めることになった。男子にはやりたいという人が居なかったので、推薦と多数決で俺に決まってしまった。現時点で女性化しているのでうまく切り抜けられないかと思っていたのだが、世の中それほど甘くはないようだ。しかしその代わりに、初春さんが1年を通じてクラス委員をやるのに対して、男子は学期ごとにクラス委員を代えたらどうかと提案したところ、提案が受け入れられて俺のクラス委員期間は1学期のみに決まった。
「これでクラス委員は決定だな。二人には早速で悪いが、今から教科書を取りに行ってもらいたい」
クラス委員が決まったところで、クラス委員に早速仕事が回ってきた。学校側から配布される教科書を取りに行くといういきなりの重労働である。俺はともかく、体力がないと思われる初春さんには厳しいのではないだろうか。そう思っていたら先生が皆のほうを向いて更に続けた。
「多分結構な重さになるはずだから、クラス委員の権限で何人か選んで連れて行って運ぶことにするか。人選は神代と初春に任せるから、指名されたら手伝うように。ちなみに拒否権はないからな」
まぁ、この人数分の教科書なら相当な重さになるはずだし、二人で簡単に運べるようなものではないことぐらい容易に想像できる。その為に何人かを連れて行くように言ったのだろう。
「それじゃー佐天さん!」
初春さんがいきなり佐天さんを指名する。まぁ、知り合いなら指名しやすいというのもあるだろうし、恐らく昨日の自己紹介のときのことも多少はあるのだろう。
「えぇ〜っ!!」
「拒否権は無いですから」
嫌そうな顔をする佐天さんに腹黒な初春さんという組み合わせが、何ともほのぼのとする状況だ。そう思うのは俺だけだろうか。
「初春は他に指名しないのか? あと、神代はどうするんだ?」
一人指名したぐらいでは当然足りるわけがないので、他に誰を指名するのかを先生から聞かれたわけだが……。
「能力使っていいならウチ一人でも大丈夫です」
「そうか」
俺が答えると先生は納得したように頷いた。初春さんと佐天さんも一瞬驚いたような表情を見せていたが、俺の能力を思い出したのか納得したような表情になっていた。
「それなら男子のほうは神代一人で大丈夫だな。初春は他に選ばないのか? さすがに二人だと厳しいぞ」
「え? 神代さんが運んでくれるんじゃ……」
先生の言葉に初春さんが驚く。先生は恐らく男子の教科書は男子、女子の教科書は女子が運ぶということで考えているのだろう。俺としては全員分を
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