第十六話 入学式
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で土御門さんの寮へ向かったのだが……まぁ、何というか、『俺の義妹はこんなに可愛いんだぜい』ってタイトルの美少女ゲームやその他諸々……土御門さんはやっぱり土御門さんだった、とだけ言っておこう。しかし、あのゲーム……まさか土御門さんが作った、なんてことはないよなぁ。それ以前に、美少女ゲームっていうか、いわゆるエロゲーというやつを土御門さんはどうやって手に入れたんだろう……。
さて、気を取り直して真新しい制服に着替えると、カバンを持って玄関に向かう。今日は入学式のみで教科書やノートが必要ないので、カバンの中は筆記用具などだけである。
「行ってきまーす」
ちょっとだけ元気良く言って寮を出る。入学式経験はこれで何度目になるだろうか、色々な世界で……特に高校の入学式は10回以上経験しているはずなのだが、それでも未だに緊張してしまう。俺が入学式というものに慣れる日は来たりするのだろうか。
学校に到着すると、すでに掲示板の前には結構な人数が押し寄せていた。一応、時間的余裕を見て俺も早めに寮を出たはずだったんだけど……。
取り敢えず、掲示板のすぐ近くまで行きクラスの確認をする。俺の名前を見つけて、同じクラスに初春さんと佐天さんの名前を探す……というか、俺のすぐ隣に佐天さんの名前があった。俺が“こ”で佐天さんが“さ”なので、ちょうど同じ出席番号になったのだろう。そして、初春さんの名前は一番上にちゃんと入っていた。
クラスの確認が済んだので教室へ向かう。入り口から教室の中を見てみると、すでに何人かの生徒が居たのだが、まだ誰も知り合いと一緒ではないのか、全員が一人で席についていた。
「おはようございます」
挨拶をして教室の中に入ると、一応皆挨拶を返してくれた。皆、一人ずつばらばらの位置に居たので、席順はどうなっているのかと一瞬考えてしまったのだが、黒板に席順が書かれていた。確認してみると俺は窓側の後ろから二番目という好位置で、しかも隣は佐天さんだった。というか、良く見たら出席番号順だ。まぁ、普通はそんなものか。
俺が席についてしばらくすると初春さんと佐天さんが入ってきた。初春さんは郵便局で見かけたことがあるけど、佐天さんを見るのは初めてである。とはいえ、あまり見続けても変に思われるだけだと思うので、また新しく教室に入ってきた生徒のほうへ視線を向ける。視線は向けてないものの初春さんや佐天さんのほうを気にかけていると、初春さんは一番前の自分の席で椅子に座り、佐天さんは初春さんの机の前で向かい合っておしゃべりしているようだった。
しばらく経ってチャイムが鳴ると、皆が慌ただしく席につき始める。当然佐天さんも俺の隣に座ったのだが、挨拶をして仲良くなるみたいなアニメチックな展開にはならなかったのはちょっ
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