第二章 A's編
第三十九話 『スーパー銭湯(前編)』
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シャマルとヴィータが話し合っているところで、
「そやから、シグナムもいこう」
「わかりました。ではお言葉に甘えて」
それでシャマル達も喜びの声を上げる。
「ザフィーラとアーチャーもいこうか。人間態になって普通の服を着てったらええんやし」
「お誘い誠にありがたいのですが、私は留守を預からせていただきたく」
「私も遠慮しておこう。皆で楽しんでくればいい」
「そうなんか?」
「夕餉の見張りもございますゆえ」
「うむ」
「ザフィーラ、お風呂苦手だしな」
「アーチャーさんはどうしてなんですか?」
「いや、なにね。私の体には戦闘服で隠してはあるがたくさんの傷跡があるから一般のものには見せるわけにはいかんのでな」
「あ…」
「そういえばそうだったな」
最近人間形態になれるようになってたまたま上半身を見る機会があったからわかる。あんなにいろんな傷跡があったら普通に入るのはきついやろな。
「うん。ほんならそういう理由なら二人とも今日は留守番でお願いな」
「御意に」
「了解だ」
「ほんなら皆、着替えとタオルを持ってお出かけの準備や」
「「おお!!」」
「シャマル、私の分も頼む」
「は〜い」
それで私はヴィータと一緒に部屋に戻って着替えの準備をする。
みんなでお風呂、楽しみやな。
◆◇―――――――――◇◆
その後、部屋にはシグナムとザフィーラ、アーチャーが残った。
「主にたしなめられたか」
「ああ」
「だがなぜだろうな。恥いる気持ちはあるのだが、不思議と心が温かい」
シグナムは目をつぶりそう呟く。
「真の主従の絆とはそういうモノなのだろうな」
「そうなのかな」
「そうなのだろう。記憶がない私が言っても詮無い事だが理解しあうのはいいことだと思う」
「アーチャー」
「不安もあるだろうが、心身の休息も戦いのうちだ。今は主と共にゆっくりと寛いでくるのがよかろう」
「うむ。お前達も少し眠っておくといい。今夜も蒐集は深夜からだ」
「心得ている」
「わかっている」
そして部屋の外から、
「シグナム、準備できたわよ」
「ああ、今行く」
シグナムはシャマルの声で部屋を出て行った。
出て行った後、男二人となった部屋で、
「…それでアーチャー。記憶は思い出せたか?」
「いや。しかしシグナムではないが…この生活は案外悪くない。今は力を十全に振るう事はできないが出来うる限り力になろう。はやての為に…」
「そうか」
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