第5章 契約
第55話 ハルケギニアの夏休み・昼
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界からやって来た仙人ですから。科学が持つ長所は活かして、俺の持って居る知識や技能で補えない部分を魔法に頼る方が、効率が良いですからね。
ただ……。
ただ、不思議なのは、ここは俺の感覚で言うと中世ヨーロッパで、それも、かなり緯度の高い位置に有るオランダやベルギーに相当する地域に存在する土地と言う点です。
このぐらいの高緯度地域は、真夏でもそう高温と成らずに過ごし易いはずなのです。少なくとも、連日真夏日&熱帯夜を記録し続ける俺が暮らしていた日本の……西日本の夏とは違って居たはずなのですが……。
故に、地球世界でもこの地域に関しては、エアコンなどの冷房器具の一般家庭への普及率はかなり低かったと記憶しているのですがね。確か、ヨーロッパで記録的な猛暑の際に、一般家庭へのエアコンの普及台数が少な過ぎて、熱中症で倒れる人が続出して日本でもニュースにも成ったぐらいですから。
もっとも、この中世封建社会の時代に位置するヨーロッパは、確か、二、三年に一度は飢饉が訪れていたはずですから、二週間以上、一滴の雨も降って居ない状態でも不思議ではないのかも知れませんが。
今年はこのまま進めば、間違いなく水不足に因る不作から、飢饉が起きたり、それに因って暴動が起きたりするかも知れませんね。
それで無くても、世界はキナ臭い状態。トリステインは、アルビオンとの間で開かれた戦端を終わらせる心算が無いような気配で、両国共に軍備を着々と整えつつ有る状況。
そして更に、トリステインの後ろには、ゲルマニアの支援も有るような雰囲気ですから。
但し、表面的には見えて居ませんが、アルビオンの目的が聖地奪還の為の聖戦の軍を送る事ですから、今のトコロは静観を決め込んでいるロマリアの動き如何では、トリステインはゲルマニアからの支援は期待出来なくなる可能性も少なくないのですが。
何故ならば、地球世界の歴史では、この時代のドイツは宗教戦争の真っ最中で、新旧両教徒が相争い、統一国家が存在出来る状態では無かったはずなのですが、この世界ではカトリック。つまり、ロマリアの教皇の元に統一された旧教を、国を挙げて信奉している為にロマリアの教皇の動き如何に因っては、トリステインへの支援からアルビオン支持へと変わる可能性も少なからず存在して居ます。
まして、アンリエッタ姫とウェールズ皇太子が恋仲で有った事が、ゲルマニアが知らないとは思えません。
対して、アルビオンのティファニア女王も未婚で、それに、彼女は信仰の世界に生きて来たアルビオンの聖女です。アンリエッタ姫とティファニア女王。どちらを選ぶかを、ゲルマニアは現在吟味をしている可能性すら存在していると思いますし……。
その理由は……。アルビオンとの小競り合いに因って延期されたアンリエッタ姫と
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