第5章 契約
第55話 ハルケギニアの夏休み・昼
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それならば、
「コルベール先生。私は、そこの少女用の食事を作って来ますから、食事が出来上がったら、彼女に対して先生の手で食べさせて上げてくれますか?」
方法として簡単に思い付くのはこの辺りですか。
そう。霊力が不足しているのなら、食事から補ってやれば良いだけの事です。まして、この女童は受肉しているようなので、食事を取る必要は有るはずですし、当然、食物を口から摂取する事も可能なはずです。
確かに、少雨がもたらせる凶作の可能性も有りますが、彼女が現れた理由が偶然などではなく、天が定めた。つまり、ハルケギニア世界に暮らすすべての人々に押し付けて来た運命だった場合、ここでこの少女を追い返したとしても、その程度の方策で凶作を回避する事は不可能。
まして、凶作から民を守るのは、俺の仕事などではなく、各王家や、貴族などの為政者たち。
その辺りに、俺が負うべき責任はないと思いますから。
「構いませんが、それでも、その少女は僕が保護してから三日の間、何も口にしてくれていないのですよ?」
少し、訝しむかのような雰囲気で、俺に問い掛けて来るコルベール先生。
確かに俺としても、その辺りが良く判らないのですが。
「難しいのですが、おそらく、初物……珍しい食べ物を準備して、それなりの作法に従って用意した食物以外、口にしない御方の可能性が有りますから、その作法に従って試して見たいと思います」
それに日本にも渡って来ている神様ですから、ある程度、日本の作法に従った方法で、もてなす事も可能でしょう。
但し、その為には、
「それで、タバサ。俺が食事の準備をしている間に、頼みたい事が有るんやけど……」
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