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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第55話 ハルケギニアの夏休み・昼
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う考えても通常の人間とは思えない雰囲気を放っている事だけは間違い有りません。

 そう。彼女から感じていたのは、イメージ。それは、火。そして、乾。
 俺が古代中国では湿った東からの風を支配する存在とされたのなら、このコルベール先生が保護した少女は、乾いた西からの風を支配する存在。

「シノブくんは、彼女の事が判るのですか?」

 コルベール先生が色々な物が乗り、雑然とした印象のテーブルの上を慌てて片付けながら、そう聞いて来た。

 尚、タバサも、そして、キュルケもその様子を見つめるだけで、進んで手伝おうとする事は有りませんでしたが。
 流石は、貴族の姫君たち。いや、タバサの場合は、普段から他人が何をして居ようともあまり関心は示さないのですが、キュルケに関しては、そんなに高いトコロから見下ろすような事は有りませんから……。
 流石のキュルケでも、薄らとホコリの積もったコルベール先生の研究室のテーブルの上の片付けを手伝う気にはならなかっただけの事でしょう。まして、如何にも怪しげな狂的科学者に相応しい物品が雑然とした雰囲気で並べられ、更に積み上げられて居ますからね。

「私の意見の前に、その少女についてオスマン学院長は、何と答えましたか?」

 俺の意見よりも、もっと確実で、更に知識の深い人物が居るのですから、その人物の意見の方を参考にしてから答えた方が良いですか。
 そう思い、俺の予測を口にする前に、コルベール先生の質問に対して、質問で答える俺。
 但し、この女童がここ……このハルケギニア世界に居る理由の内のひとつぐらいなら、何となく想像が付くのですが。

「学院長には彼女を保護した三日前に報告して有るのですが、その時には、その内に何とかなるじゃろうて、と答えて笑っただけでしたから」

 コルベール先生が微妙な気を発しながら、そう答える。尚、そのコルベール先生の答えは……何と言うか、非常に学院長らしい言葉だとは思いますね。
 それに、この女童が人外の存在だと判っても、直接、人に害を為す存在だとは判らないでしょうし、まして、本人。その女童自身は、人間に悪意を持って居る存在では有りませんから、もしかすると学院長でも正体が判らなかった可能性も有りますか。

 ただ、確実にこの女童の正体を簡単に晒し、この地から追いやる方法は……。

「取り敢えず、先生とタバサ。そして、キュルケはアイスクリームを食べていて貰えますか」

 俺は、その女童を、彼女の元々住んで居た世界に帰す方法を頭に浮かべながら、実際の口では、そう当たり障りのない台詞を口にした。

 そう。確か伝承に残っている方法としては、泥水を頭から掛けろ、と言う物が有るのですが……。

 そこまで考えてから、もう一度、件の女童を見つめる俺。在らぬ方向を見つ
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