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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第55話 ハルケギニアの夏休み・昼
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 夜明けと共に上昇のカーブを画き続けた外気温。そして、その熱中症で死者すら出かねない外界からはかけ離れた心地良い室温に維持されるタバサの部屋。

 現在、午前十一時過ぎ。蒼き吸血姫(タバサ)は自らのベッドにうつ伏せに成りながら、和漢に因り綴られた書物を紐解き、
 俺は、テーブルに着いたキュルケの空に成ったグラスに、よく冷えたレモンの果汁を搾った物にハチミツを混ぜた飲み物を注ぐ。

 但し、何故キュルケが、この部屋の(あるじ)然とした自然な振る舞いで居座っているのかが良く判らないのですが。
 ついでに、何故俺が、そんな彼女専用の従僕扱いに成って居るのかについても、同時に誰か(キュルケさん)から説明をして頂けると非常に有り難いのですが。

 それとも日本古来の仕来りに則ってお茶漬けを出したら、彼女は自分の部屋に帰ってくれのですかね。

「ありがとう、シノブ」

 良家の子女に相応しい態度及び仕草で、グラスを手にするキュルケ。但し、殆んど下着姿に等しい姿では、威厳も、そして優雅さも感じさせる事も有りませんでしたが。
 もっとも、真夏の太陽に焼かれたこのトリステイン魔法学院の女子寮の中は、とてもでは有りませんが、男性の俺が廊下を歩く事が出来ない状態と成っているのも確かなのですが。

 ……俺は、男性扱いと言うよりは、タバサの使い魔、もしくは使用人扱いなので、あまり気にされてはいないのでしょう。
 それに、今は夏休みの真っ最中ですから基本的に人口密度も低いですし、女子寮に侵入して来る男子生徒もいない。

 正直に言うと、女性と言う生命体は、男性の目がないトコロではかくもルーズに成れるのか、と言う現実の厳しさを俺に教えてくれる状況と成って居りますから。
 もっとも、非常に高温で熱せられた冷房の存在しない石造りの建物の中で、少々、下着姿に等しい姿でうろついたトコロで、誰も非難はしないとも思いますが。

 いや、それどころかアウストリの広場の片隅……木陰で誰かが行水をして居たとしても、誰も止める事もないでしょうからね。

 但し……。

「それで、出来る事ならば、キュルケさん。もっと人前に出ても問題ない格好をして貰えると、俺としては非常に嬉しいのですけどね」

 無駄なお願いと成る可能性の方が高いけど、一応、そう聞いてみる俺。但し、この世界には中世ヨーロッパと違い、地球世界並みの女性用の下着が存在しているのは確かです。
 もっとも、ブラジャーと言う物は存在して居ませんが。それでもビスチェや、コルセットが有りますから、そう困る物ではないのかも知れませんね。
 実際、中世ヨーロッパなら、スカートの下には何も着けない事も珍しくは無かったはずですから。

 但し、タバサに関しては、トップの方は、スポーツブラをハル
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