使徒大戦
第二章
2.03
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定的に欠けているのだよ。だから地球を簡単に滅ぼせる核兵器が大量にあっても全く気にせず日常生活を送ることができる。ゴミが増えればその始末に窮することを知っていても消費社会は続く。枯渇することが分かっている資源を乱費する。考えてみればこれは異常ではないかね?」
リツコは黙る。それは常々思っていたことであるからだ。
「それはともかく、槍はそのために先史文明が作ったデバイスですよね、その記述も当然あったんでしょう?」
「ああ、槍は使徒から因子を効率よく取り出すために作られた。だからATフィールドも貫通するのだ」
「先史文明のようにそれを用いて因子を回収するというのが補完計画なんですか?」
「いや、シンジ君のさきほどの話に戻るのだが、不完全なシンジ君の遺伝子では槍を制御できるかどうか分からなかったのだ。すまん、不完全とは言葉は悪いな……」
「いえ、そのへんは槍からの情報で自分が何者かは分かっていますし、生まれは関係ないですよ。ボクはボクであり、それ以外の何者でもないのですから」
そう、そしてそれを肯定してくれる伴侶も得たのだしね、とシンジは心の中で付け加える。
「ちょっと待って、その不完全な遺伝子って、さっきの神人とかいうものに関わることでしょ、その説明を受けてないわ」
「ああ、そうだったわね、話が途中からそれてしまったから。じゃあ元に戻すわ。ミサト、神=造物主がアダムだとして、その神を貫くことができる槍がロンギヌスの槍。じゃあ実際にそれに貫かれた人間はなんだったのかしら?」
「同じく、神? いや、そうじゃないわね、さっきアスカが神と敵対する存在だって言っていたわけだし……」
「ただの人間でもアレに刺されたら死ぬでしょうけどね」
リツコが冷静なツッコミを入れる。
「それでもあれをつかうのが十分条件ではなく、必要条件だった存在と考えればいいのかしら」
「正解です、リツコさん。イエスの正体は突然変異体で、0.11パーセントの違いを超えて先史文明種族に近い遺伝子を持っていました。彼は先史文明の遺産を使用することができたのです」
「そうだ、イエスはいまよりもたぶん多く残っていた遺産を使用することで、奇跡の数々を起こしたのだろう。その一部が聖書の記述として残っているわけだ。ミュータントであり、先史文明種族にきわめて近い遺伝子を持つ彼は知恵の実を完全に近い形で有していた。ひょっとしたら力の実か、もしくはそれの変わりになる手段も手に入れていたのかもしれない。ATフィールドによると思われる重力遮断の描写が聖書の記述にあるからな」
「間違いないわ。槍の記憶にあったもの」
「そしてATフィールドを貫けるのは槍だけというわけか……」
「なるほど」
「でも実はそれは一つ、重大な見落としがあります。イエスは槍を制御下に従えることができたのです。そのイ
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