アインクラッド編
過去の傷跡
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、キリトはきっと理解していないだろう。
サチは少し気合いが入った手でしっかりと槍を握った。
先ほどまでの重みは、もう感じなかった。
キリト達が午後から戦闘を行っていた場所はフィールドではかなりモンスターのポップ率が激しい場所だ。
しかしながら、午前中の戦闘でコツを掴んだ〈月夜の黒猫団〉の男性陣はアスカの指示で的確にカメの脆弱ポイントを捉えることができるようになっていたので、それほど多くの敵に囲まれるような状況に陥ることもなかった。
キリトとサチはあまり効率よく倒せていなかったが、ほぼ全ての敵をアスカ達に任せていたので窮地に追い込まれることもなかった。
それに、サチもキリトと二人というおかげもあるだろうが、午前中よりは少しずつ堅さも取れて、何度か連続して攻撃に成功するようになった後は少し自信が付いたのだろう。
少しずつ成功率も上がり、順調だった。
そしてようやくキリトとサチ2人はお目当てのモンスターと出会った。
不意にキリトの〈索敵スキル〉範囲内に今までの白色に近いピンク色と異なる、オレンジ色の光点が出現した。
キリトは咄嗟に光点の方向に剣を構える。
〈索敵スキル〉の光点のカラーは敵の強さを判別することに利用できる。
自分よりも圧倒的にレベルが高ければ、血のようなクリムゾンレッド。同等のレベルならピュアレッド。
そしてそこから自分のレベルが高くなるにつれ白に近づいていく。
今までずっと倒してきていたカメモンスターなら薄いピンク色の光点のはずだ。
つまり、この先にいるのは――――
「うわあっ・・・・!!」
サチが恐怖ではなく、感嘆から声を上げたのも仕方ないだろう。
がさがさ、と草をかき分けて現れたのは光り輝くような圧倒的存在感を放つカメだった。
体躯は先ほどまでの敵より一回り大きい。
しかし、何よりも目を引くのは甲羅中に精緻に取り付けられている大小様々の宝石の数々。
陽光が反射してキラキラと輝いている。その様はとても倒すべきモンスターとは思えない。
見間違えようはずもない。
〈ジュエリー・タートル〉。
今日のクエスト報酬アイテムである〈ジュエリー・シェル〉をランダムドロップするモンスターだ。
午前中にアスカ達が1体倒したきり出現していなかったので、キリトもサチも初めてこの美しいモンスターと相対した。
見た目は美しいが、カーソルの色から判断できるように油断して大丈夫な相手ではない。
付け加えてこのモンスターには1つだけ他のモンスターと異なる特性があるので、それも気をつけなくてはならない。
「・・・・わたしが先攻するからサチは様子を見ながら甲羅にソードスキルを発動しないように気をつけて」
「大丈夫・・・・分かってる」
キリトの緊
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