暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第六十九話 砂漠の戦い
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side エイミィ

 クラッキングされたシステムを復旧させようとしている時、何か軋むような音と共に部屋の空気が変わった。

 振り向かなくてもわかる存在感と威圧感。

 この部屋にいるのは私と士郎君しかいないのだから誰が発したのかなど考えるまでもないこと。

 士郎君は歯を食いしばって、拳を握りしめて、ノイズの間にたまに表示されるぐったりとしたフェイトちゃんを抱きかかえる仮面の男に視線は向けられていた。
 その姿はまるで自分の衝動を抑えるようで

「士郎君?」
「はい?」

 私の呼びかけに食いしばっていた歯を緩めて、平然とこちらに顔を向ける。

「ううん、なんでもない。
 もうすぐアルフとなのはちゃんには通信が回復しそうだから。
 医療スタッフの要請も今してるから士郎君も本局いくでしょう」
「ええ、お願いします」
「ん。了解、それも申請しておくね」

 士郎君から返事にいつも通り明るく返事をして作業に戻るけど、うまく笑えてたかな。

 今回はちょっと自信ないかも。

 通信が回復したアルフにフェイトちゃんをお願いして、士郎君と一緒に皆の帰りの出迎えに本局に向かう。




side 士郎

 管理局の本局でなのは達の帰りを待つ。

 ちなみに本局に一緒に来たエイミィさんはリンディさんに今回の件を引き継ぐために席を外している。

 そんな中転送ポートから出てくるなのはとアルフ。
 フェイトもアルフの腕に抱えられている。

「アルフ、フェイトは?」
「怪我自体は大したことないよ。
 でもリンカーコアが奪われて意識を失ってる」
「そうか」

 とりあえずは静かに眠っているフェイトの姿に安堵し、頬を撫でる。
 そんなフェイトに付いている血の匂い。
 フェイトの血と、ゲイ・ボウについている血、仮面の血と同じ匂いと、知らない血の匂い。

 恐らく知らない血はシグナムのだろう。
 フェイトにあの仮面の血の匂いが僅かながらついているという事は傷は健在だろう。

 そんな考え事をしていたら

「アルフさん。医療スタッフの準備が出来たわ」
「はい。今連れていきます」

 呼びに来たリンディさんの声にアルフがフェイトを抱きかかえて走る。
 その後ろ姿を見送りながら

「なのは、怪我はないか?」

 無傷に見えるなのはにも確認をする。

「うん。私は全然。
 バインドされただけだし」

 元気に答えるなのはに安堵する。

 それにしても匂いというのは盲点だったな。
 しかし、この人数がいる管理局でうまく対象を探せればいいんだが、難しいだろうな。

 だがこの匂いを心に刻み込む。
 絶対に逃がさないために。


 そのあと一旦情報
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