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懐かしき物
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リーファ行きつけの店に連れてってもらった。

「どれがいいんだ?」

 店主らしきプレイヤーの男にそう聞かれる。とりあえず、この世界では弓で行こうと思っていたゲツガはいくらでもいいから強いロングボウを頼む、と言った。すると出された弓を見て驚く。SAOで使っていた剣を二つ重ねた弓、プリティヴィーとディアウスによく似ていた。

「こんなのどうだい?黒白王弓(こくはくおうきゅう)?威力も高くていいぞ。ただし、弓のスキルレベルとか関係なく使えるけど、扱いが難しくてほとんど使う奴がいない、というより使用者が諦めて使わないっていうじゃじゃ馬だ。金はそこまで取らんがこれでいいか?」

 そう言ってゲツガは弓を手に持つと懐かしい感覚を覚える。こいつは、この世界に別の存在となってきていたんだな……、そう思い、弓の弦を引き、素引きを行う。感覚もあの世界のこいつのままのようですぐに馴染んだ。

「こいつをくれ。俺にはこいつがちょうどいい」

 そう言ってお金を払いすぐに装備する。ついでにSAO時代に着ていた物とは少し違うが似たようなロングコートを見つけて買う。キリトは迷った末に馬鹿でかい片手剣を買っていた。しかし、ゲツガにとってはあのぐらいでも軽いと思うほどだ。

「じゃあ、装備も整ったことだしこれからしばらくヨロシク!二人とも!」

 そう言ってリーファは手を出してくる。ゲツガも手を出してリーファの手を握る。その時リーファはハッとし顔を赤らめたが気にせずに言う。

「こちらこそ、ヨロシク!リーファ!」

 そう言って手を離し、キリトとも握手させる。キリトの胸ポットから出てきたユイは手の上に乗って言った。

「頑張りましょう!目指せ世界樹!」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 買い物が終了した後、リーファの後についていって数分、目の前に大きな翡翠色に輝く優美な塔が現れる。確か、この塔はシルフ領のシンボルの風の塔だ。昨日はこの塔にぶつかった隣にいるスプリガンを見て笑いそうになる。リーファもそのことを思い出したようでクスリと笑った。それに気づいてないキリトは貼りついた辺りの壁を眺めて嫌そうな表情をしていた。

「キリト君、出発する前に少しブレーキングの練習しとく?」

「……いいよ。今後は安全運転を心がけるようにするから」

 キリトは憮然とした表情で答える。その後、キリトはなぜここに来たのかリーファに尋ねる。

「それはそうと、なんで塔に?用事でもあるのか?」

「ああ、長距離を飛ぶときは塔の天辺から出発するのよ。高度が稼げるから」

「なるほど、確かにそうだな」

 ゲツガはそう言うと、リーファが後ろに回ってゲツガとキリトの背中を押して歩き始める。

「さ、行こ!夜までに森を抜けておきた
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