第五幕その四
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の目的は果たされましたので」
「これでお別れか」
「はい。またいずれ御会いしましょう」
心地よい別れになる。その時のホフマンの言葉は。
「今度会う時は手加減してくれよ」
「さて、それはどうでしょうね。ははは」
彼は笑い声と共に姿を消した。同時にステッラも他の者達も姿を消してしまっていた。
「行ったか、皆」
ホフマンはそれを眺めた後で一人呟いた。
「ステッラは彼のものになったが僕は他のものを手に入れた。ミューズと彼に教えられた」
呟きながら顔をあげる。
「行くか、その道に」
そう言いながら前に進み酒場の扉の前に行く。金はテーブルの上に置かれていた。
ホフマンは扉を開けた。そこがはじまりであった。
今彼は現実と幻想の狭間にある世界に足を踏み入れた。その先にあるのは何かわかっている。
彼はその中を歩きだした。扉はゆっくりと閉じられ彼の後ろを守っていた。
ホフマン物語 完
2006・1・2
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