第五幕その三
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いのはあの三人の女と三人の黒服の男だけであった。それが何故なのかもうホフマンにはわかっていた。
「皆・・・・・・」
「皆貴方の世界の中にいたのよ。だから今こうしてここにいるの」
「では今僕がここにいる世界は幻の世界」
「いえ、それもまた違うわ」
彼女はそれも否定した。
「違うのかい?」
「ええ。今いるのは現実の世界」
「どういうことなんだ」
ホフマンにはもう訳がわからなくなってきていた。
「僕はどっちの世界にいるんだ」
「両方の世界に」
「現実と幻想の両方にか」
「言ったでしょう。現実と幻想の境なんて曖昧だと」
「しかし」
ホフマンはそれに異議を述べようとする。しかし相手の方が早かった。
「これが芸術の世界なのです。貴方が手に入れた」
「現実と幻想を行き来出来る世界」
「ええ。それが貴方に無限の才能をもたらすわ。芸術家としての貴方に」
「それじゃあ今までの苦しいことは」
「試練だったのです」
また優しい声で言った。
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