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戦国異伝
第百十四話 幕臣への俸禄その十
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 元親はむしろ逆のことを感じ取っていた。
「織田家の下におってもな」
「はい、それでは」
「これでよい。土佐の民達も幸せに過ごしておる」
 土佐は今織田家の領地となっている。この前まで多くの豪族に分かれ争ってきたがそれも終わってだというのだ。
 それで彼はこうも言った。
「これでよい。天下は織田家のものとなるべきじゃ」
「その通りですな」
「四国はそのうちの三国が織田家のものとなりました」
 島が長兄に言ってきた。
「残るは伊予だけです」
「そうじゃな。伊予だけじゃな」
「はい、伊予だけです」
「あの国もややこしいですな」 
 今度は香宗我部だ。
「この前までの土佐と同じで多くの家に分かれて争っております」
「毛利につく者もいれば大友につく者もいますな」
 また島が言う。
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