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吸血鬼の真祖と魔王候補の転生者
第15話 戦乙女海賊団
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を豚に向けているのが5割といった所。

古き良き権威にしがみつくのが半分、現実を見据えているのが半分ということね。

そろそろ頃合かしら。いい加減跪くのも疲れたし。

そう思い、右にいるエヴァに視線を向ければこちらもにやりと笑う。

ドレークにも合図をすると、私は徐に口を開いた。

「恐れ多くも陛下に、申し上げたき儀がございます」

私の言葉で、謁見の間は静まり返る。

さぁ、舞台の幕開けよ。










「貴様!陛下のお許しもなく発言するとは何事か!」

豚がなにか喚くが、私は構わず顔を上げ、陛下を見つめる。

ご尊顔がどうとか何か喚かれているが気にしない。

「・・・よかろう、申してみよ」

「陛下!」

さぁて、言質はとったらこっちのものよ。

「陛下の言を遮る権利が貴様にあるのか!」

闘気10割を乗せた言葉を豚に放つ。

豚はガタガタ震えている。いい気味ね。

余波を食らったほとんどの人間が腰を抜かしてる。

むぅ、その上の殺気や覇気をぶつけていたら、失神して話にならなかったかも。

まぁ、静かになったし続き続き。

「陛下は何故、我らを招聘したのでしょうか?」

「もちろん、カトリックの狂信者どもから、我が祖国を守るため」

「結構。しかしながら、敵は外にいるとは限りません」

「・・・というと」

「内憂外患。残念ながら、陛下の臣には民を食い物にしている不逞の輩がいるようです」

瞬間、部屋中に怒号が飛び交う。

正確には“部屋の約半数”から、怒号が飛び交う。

私は構わず、唯一許可を取り持っていた書状を陛下に捧げる。

「これは?」

「私が商人の伝を使い調べた、奴隷を始めとする違法商取引の証拠になります」

そう言いながら、じろりと豚に視線を向ければ、さっきとは別の意味で顔を青くする豚。

わかり易すぎて、相手をするのも悲しくなってくる。

「ふむ、妾が調べたのと、ほぼ同じじゃな」

その一言で、再び静まり返る。

「へっ、陛下?」

「近衛兵!この者たちの荷物をここへ」

「はっ!」

すぐに私たちの手に荷物が戻る。

まぁ、レクイエムやクライストが無くても、永遠の契りを結ぶ指輪(エターナル・リング)さえあれば問題ないのだけど。

「シルヴィア“卿”!エヴァンジェリン“卿”!ドレーク卿に命ずる!この者たちを引っ捕えよ!」

「「「Yes Your Majesty(仰せのままに、女王陛下)!」」」










「ふむ、なかなか壮観だな」

そうエヴァがつぶやく眼前には、整列する英国海軍の兵士たちがズラリと並ぶ。


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