第二十話 プールの妖怪その五
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「あんた達本当にいつも一緒にいるけれどね」
「百合とかじゃないわよね」
「聖花ちゃんが愛実ちゃんの大きな胸を触ったりとか」
「愛実ちゃんは愛実ちゃんで聖花ちゃんのすらりとした脚を摩ったりとかね」
「そういうことしてる?」
「それとももっと深いことを」
「してないから」
愛実はあっけらかんとして周りの冗談めかしたからかいにこう返した。
「私ノーマルだから」
「じゃあ男の子なのね」
「そうよ。私はそっちだから」
あくまで男専門だというのだ。
「男の子ね。好みはマッチさんみたいな人」
「あれっ、年上趣味?」
「そうなの?」
「ああいう感じの人がいいのよ」
熱さはまだ残っているがそこに大人の円熟があるタイプだというのだ。
「ミッドナイトシャッフルみたいな」
「言うわね、っていうかいい趣味してない?」
「あのマッチさんは凄いからね」
「愛実ちゃんの趣味ってレベル高いわね」
「そう来るとはね」
「特撮だと村上幸平さんね」
この俳優だというのだ。
「明るい人も好きだし」
「村上さん背高いしね」
「しかも頭もいいし」
「ああいう人も好きなの」
そうだというのだ。
「だから女の子とは一緒にいてもいちゃいちゃしないから」
「私もよ」
今度は聖花が周りに言う。
「私は東山さんよ」
「ああ、ヒガシさんね」
「あの人ね」
「そう、あの人なの」
かなり前の言葉では醤油顔と呼ばれる顔だ。尚マッチはケチャップ顔と呼ばれていた。
「ああした感じの人が好きなのよ」
「聖花ちゃんはその人なのね」
「その人が好きなのね」
「そうなの、特撮だと」
聖花の特撮の好みはというと。
「天野浩成さんだけれど」
「ああ、あの人ね」
「あの人もいいわね」
「演技力も高いから」
聖花は顔立ちだけでなく演技力も見ていた、俳優に不可欠のものを。
「好きなの」
「で、聖花ちゃんも女の子には興味がない」
「そうなのね」
「そうよ。愛実ちゃんは友達だから」
それ以外の何者でもないというのだ。
「というかそうした趣味ってかなり特殊でしょ」
「私もそう思うから」
愛実もこう言う。
「そうした趣味は否定しないけれどね」
「昔からあるし」
日本では昔から同性愛は普通にあった、主に男同士のものであるがそれでも同性愛は普通のものだったのだ。
だからここで二人も言うのだ。
「そんな。自分が趣味じゃないからって否定しないから」
「そういうのはね」
「ううん、じゃあやっぱり?」
「そういう趣味はないのね」
「ないわよ」
今度は二人同時に言った。
「そういうのはね」
「興味ないから」
「ううん、何か残念よね」
「そうよね」
周りは二人のきっぱりとした否定の言葉に寂しい苦笑い
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