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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百四十七話 ヴァンフリートへの準備
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手に持ったレポート用紙の束で払いながらワーレンが答える。
「ビッテンフェルト、食うか喋るかどっちかにしろ。まあ艦隊の方は概ね順調だ」
ワーレンも文句を言いながらも確り質問に答える。

「そう言えば、歌劇団の歌は殿下が作詞し参謀長が作曲為さったそうですね」
最年少のミュラー准将がメックリンガーに話題を振る。
皆の視線がメックリンガーに向くと、メックリンガーは恥ずかしそうに髭を触った。

「殿下が殆どアカペラで歌をお作りになり、音符付けと編曲をした程度だよ」
「殿下のお作りになった歌か、楽しみだな、ロイエンタール」
ロイエンタールは何故俺に振るという視線で親友のミッターマイヤーを見る。

「ああ、そうだな」
ロイエンタールは仕方なしに、おざなりに答える。
ロイエンタールの嫌そうな態度も全然目立たずに、皆が皆一時の安らぎを見つけ、テレーゼとメックリンガーの歌や歌劇団の事を話している。

其処へドスドスという足音と共に、廊下を歩いてくる音が聞こえ。インターホンから野太い声が部屋に響き渡る。
「おう、邪魔するぞ」

ドアを開け現れたのは、装甲擲弾兵総監オフレッサー上級大将だった。
「閣下、いかがなされましたか?」
メックリンガーが対応すると、オフレッサーがすまないというような顔をしながら答える。

「飯時に済まんが、今回の作戦に、俺の所からも兵を出すことになってな」
「閣下がご参加するのですか?」
「行きたいのは山々なんだが、俺の方は、エッシェンバッハ元帥の旗艦に乗らなければならんので、俺の代わりをさせるにはまだまだ未熟だが、通常の戦闘なら十分行える信頼できる奴を連れてきた」

「挨拶しろ」
オフレッサーの後に控えていた准将が挨拶をする。
「小官はアルフレッド・フォン・ランズベルク准将であります。今回はよろしくお願い致します」

ランズベルク准将を見て准将の正体が判る者達はその腰の低さに驚く。

「ランズベルク准将と言えば、ノイエサンスーシ突入時の?」
ミッターマイヤーが質問すると、オフレッサーが答える。
「ああ、その通りだ。まだまだ未熟だが、十分に役に立つ男だ」

オフレッサーの基準で未熟と言えば、通常の軍では精鋭といえる状態であるので、ランズベルク伯が原作と違いどれだけ優秀な人材に育ったかが分かるであろう。

「それじゃ、宜しく頼む」
そう言い残してオフレッサーとランズベルク伯は帰って行った。

「此は、本格的な作戦になりそうだ。益々気合いを入れないと」
誰かがポツリと言った言葉を皆が肯定するように頷いていた。
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