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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百四十七話 ヴァンフリートへの準備
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ながら、エッシェンバッハは、グライフスには言えんが、陛下は更にこう仰ったな。『あの者、我慢が足らないようじゃ、少しは下の者の気持ちを教えるために、無能な上官の下で我慢を覚えさせよ』と言われた事を思い出していた。



帝国暦485年1月4日

■銀河帝国 オーディン 宇宙艦隊総司令部 ケスラー艦隊事務室

ラインハルトがノルデン少将の出来の悪さに苛つき散々上層部の悪口を言いまくっている頃、ケスラー率いる通称ケスラー艦隊はアルテナ星域での艦隊訓練から出師準備とクリスマス休暇の為にオーディンへ戻り、将兵の休養や艦艇修繕整備や補給を始めていた。

ケスラーもメックリンガーも忙しく書類の束にかかりっきりで決済印を押していく。
「参謀長、そろそろ三時だ、一休みするか」
「そうですね。丁度区切りも良いですから、そうしましょう」

メックリンガーが従兵にコーヒーを持ってくるように命じる。

「しかし、軍用コーヒーと言うのはどうも味気なくていかんな」
ケスラーの言葉にメックリンガーが苦笑いしながら応じる。
「大量消費でコストを抑えなければならない以上は、大量生産廉価版になるしか有りませんから、まだ第二次対世界大戦時のドイツよりはマシでしょう。コーヒー豆が不足して、チコリ、大豆、蒲公英の根を煎じて代用コーヒーを作ったそうですから」

「焙煎したコーヒー豆を味あえるだけマシか」
「そうなりますね」

そんな話をしながらふとケスラーが思い出したことをメックリンガーに聞いて見た。
「参謀長」
「なんでしょうか?」

「そう言えば、卿の描いた壁画がそろそろお披露目だな」
ケスラーの言葉を聞いてメックリンガーが珍しく照れたようにに話す。
「はい、今月の10日にこけら落としです」

「参謀長は当事者だから式典参加は当たり前だが、私を含めた各艦隊司令官参謀長幕僚も参加する事になっている事は、この艦隊が出兵する事の秘匿にもなっているからな」
「そうですね、私としては、一世一代の晴れ舞台に皆に見て貰えるのは嬉しいですけど」

「まあ、当日は全休だから、式典後が恐ろしいかもしれないぞ」
「そうですな」

「さてもう一仕事するか」
ケスラー達は、コーヒーを飲み終わると再度書類の束に取りかかった。


数時間後、今回の出兵に係わる部署を除いて次々に定時で将兵が帰る中、ケスラー艦隊事務室では、分艦隊司令達が集まり、食堂から従兵が運んできた軽食をつまみながら、それぞれの艦隊の練度などを話し合っている。

「俺の艦隊は準備万端だが、ワーレン、卿の艦隊の訓練度合いはどんな感じだ?」
ビッテンフェルトが、大口を開けて、骨付き太股肉のフライドチキンをぱくつきながら、士官学校同期のワーレンに話しかける。

食い滓が飛ぶのを
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