第百三十四話 今遥か遠い彼方
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おっ!!」
「イルイ!」
「イルイちゃん!」
「皆、さようなら」
イルイは微笑み、涙しながら言う。
「これでもう私達は」
「!?光が!」
「光が包み込む!」
「これは!」
ロンド=ベルを光が包み込み。そして。
それが消えた時に彼等がいた場所は。
「ここは!?」
「ここは一体何処なんだ!?」
「銀河の中!?」
銀河、あの百万年後の銀河はもう見えてはいなかった。
「じゃあまさか」
「あれは」
そしてだ。彼等は見たのだった。あの星を。
「地球だ!」
「間違いない!」
「あの星だ!」
「俺達はじゃあ」
「帰って来た!?」
「時代は何時か」
大河がそれを問うた。
「ここは何時の時代か」
「僕達の時代です」
スワンがコンピューターで割り出してから答えた。
「僕達の。今の時代です」
「そうか、それではだ」
「はい、そうです」
「我々は戻って来たのだな」
大河の言葉にも感慨が宿っていた。
「本当に」
「けれど」
「それでも」
「クスハ達は?」
「イルイちゃんは」
「一体何処に」
「姿が見えないけれど」
「ああ、いるぜ!」
ここでだ。トウマの声がした。
「俺ならな!」
「俺もだ!」
「私もです!」
ブリットとクスハだった。
「何とかな!」
「無事です!」
「俺もだ」
「私もね」
クォヴレーとセレーナもだった。
「こうして戻って来られた」
「何とかね」
「けれどイルイは?」
「あの娘はどうなったの?」
アラドとゼオラが二人のことを問う。
「姿が見えないけれどよ」
「まさか」
「いや、大丈夫だ」
トウマがだ。二人に微笑んで答えた。
「イルイもいるぜ」
「えっ、何処に!?」
「何処にいるの!?」
「ここにいる」
トウマが言うとだった。彼の腕の中に。
彼女がいた。元の少女の姿に戻り安らかに眠っている。
それを見てだ。誰もが言った。
「寝ているんだ」
「寝息まで立てて」
「それじゃあ」
「皆、帰って来たんだな」
イルイも含めての言葉だ。
「本当に。こうして」
「元の時代の地球に」
「この世界に」
「はい、その通りです」
シュウもだ。今は微笑んでいる。
「最高の結末ですね」
「四神の魂も」
ここでだ。クスハが言った。
「もう。これで」
「ああ、そうだな」
ブリットは。これ以上はないまでに温かい顔でクスハのその言葉に応えた。
「皆、その役目を終えて」
「今、その魂を昇華させるのね」
実際にだ。二人の乗る超機人は。
そこから何かが消えようとしていた。それこそがだった。
「さようなら。皆」
「そして有り難う」
「雀王機」
「武王機」
まずは彼等だった。
「貴方達が
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