第百三十二話 孫光龍の正体
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」
「真の神には勝てないよ。決してね」
孫は最後の笑みを浮かべて告げた。
「まあ。先に行っているからね」
「これでお別れですね」
シュウがその孫に声をかけた。応龍機も遂にあちこちから火を噴き孫自身もその炎の中に消えようとしている。その中での言葉だった。
「貴方とも」
「そうさ。じゃあロンド=ベルの諸君」
最後まで飄々とした態度を崩さず。
「御機嫌よう」
こう言って帽子を取って一礼してから。彼は炎の中に消えた。
大爆発が起こり応龍機も消えた。ロンド=ベルは再び勝った。
だがその彼等の前にだ。今度は。
「来たな」
「その真の霊帝が」
「この気配、間違いない」
「まとわりつくみたいな闇のプレッシャー」
「これこそが」
「では皆さんいいですね」
シュウが全員に声をかけっる。
「いよいよ最後の戦いです」
「俺達の正真正銘の」
「最後の戦いね」
「そうです。さて」
「そうですね」
チカがシュウに言う。
「本当にここで負けたら」
「全てが終わりです」
「何かそういう戦いばかりですけれど」
「ははは、そう考えると気が楽ですね」
シュウはチカの今の言葉に笑って返した。
「いつもだと思うと」
「そうなりますか」
「深刻に考えてもはじまりません」
シュウはあえてこう話す。
「ここはです」
「そうだよね。もうな」
「かなりの悪寒を感じるけれど」
「それでも」
「ここで逃げても」
「何にもなりません」
シュウはこうも話すのだった。
「深刻に考えず、逃げず」
「そうしてだよな」
「恐怖に支配されかねないけれど」
「それでも」
しかしだ。誰もがこうも感じたのだった。
「心の中に何かが入って来る!?」
「これって一体」
「ムゲと戦った時と同じ」
「あの嫌らしい気配がまた」
「ここで」
こうしてだった。彼等をだ。
その怪しい気配が覆おうとしていた。そしてだ。
ここでだ。彼等は察したのだった。
「そうか、これこそ」
「そのケイサル=エフェスとやらの力」
「その源なんだ」
そしてだ。それこそが。
「人間の悪の怨念の集合体」
「まさにそれなんだ」
「つまり!」
「悪霊だ!」
それだとだ。ここで看破したのだった。
「それがか!」
「そいつの力!」
「ケイサル=エフェスの!」
「つまりこういうことだな」
コスモがここで言った。
「イデやアカシックレコードが」
「そうしたものがか」
「そうだっていうのね」
「そうだ。人の意志の集合体としたら」
それならばだというのだ。
「そこから外れた奴等」
「人の意志の集合体から外れた奴等」
「そこから見放された悪意」
「それを持った連中の魂」
「それこそが」
「そうだ、そう
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