第百三十二話 孫光龍の正体
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ヴレーも話す。
「それはだ」
「ユーゼス=ゴッツォただ一人でした」
「ユーゼス!?あいつがか」
「その真の霊帝の存在に気付いていたっていうの」
「あの男が」
「そうです。しかしあの男は謀反を企てていた咎で粛清されました」
シュウもこのことは知っていた。現場にいたからだ。
「それで知っている者はいなくなったのです」
「バルマーにはな」
「何故ならね」
孫はその己の主について。さらに話す。
「真の霊帝はこの世界にはいないからさ」
「この世界にはいない!?」
「じゃあまさか」
「別の世界にいて」
「そこから俺達を」
「そうさ。アル=イー=クイスも」
今度語られるのはこの神々についてだった。
「僕の主の創り出したものだったんだよ」
「俺達の世界を監視し破壊する為の」
「その為に生み出された神々だった」
「そうだったっていうのか」
「そうさ。そういう存在だったんだ」
こう彼女達のことも話す孫だった。
「言うなら創り出された神々だね」
「あんなとんでもない強さの連中もか」
「そいつに創り出されたに過ぎなかったの」
「アル=イー=クイス」
「あの連中まで」
「その神は因果律の中にいる」
孫はまた因果律を話の中に出してみせた。
「そしてアポカリュプシスを引き起こしていたのさ」
「それでか。全ての世界がか」
「崩壊しようとしていたのか」
「その真の霊帝の手によって」
「あらゆる世界が」
「そういうことさ。アポカリュプシスはこの世界だけのことじゃなかったのさ」
孫は死にゆく中でも飄々とした顔で話す。
「あらゆる世界が。終わりそして」
「はじまる」
「その真の霊帝の意志によって」
「まあそれで様々な世界の歪が出てね」
そしてだと。今度話すことは。
「君達の。様々な世界の同じ魂を持つ存在の記憶も混ざったね」
「!?じゃあ今まで」
「俺達が常に感じていた別世界の似た存在の声は」
「別世界の俺達自身」
「そうだったっていうの」
「心当たりのある人は多いね。実際に僕もね」
孫自身もだった。それは。
「ある世界では邪悪な青い天使だったしね」
「ああ、そうだったな」
孫のその話にカミーユが応えて言う。
「俺も。そいつとは」
「そうだったね。まあそういうことだったんだよ」
孫の口に遂に血が流れ出てきた。だが彼はまだ話す。
「全ては崩壊に向かう中でのことだったのさ」
「じゃあその真の霊帝を倒せば」
「俺達は」
「アポカリュプシスを本当に終わらせられる」
「そうだっていうのね」
「それはその通りだよ。そしてね」
どうかと。孫はまた言った。
「その主はもうすぐここに来るよ」
「そうですね。この気」
シュウの目が鋭くなる。
「間も無く。この世界に
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