第百三十話 終わりのはじまり
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えなかったの?私も一緒よ」
微笑んでだ。ノリコに言うのである。
「私達はいつも一緒よ」
「ですがそれは」
「ノリコ、私達は何時でも一緒って言ったわね」
「は、はい」
「だからよ。一緒よ」
微笑みのまま。ノリコに言うのである。
「今もね」
「御姉様・・・・・・」
「いかん、アマノ君!」
タシロはそのカズミに対しても叫ぶ。
「君まで!」
「二号機も一緒なら」
しかしだ。カズミもタシロに言うのだった。
「縮退炉は二つになります」
「それはそうだが」
「一つ残っていればです」
どうかというのだ。一つ残っていれば。
「地球に帰られます」
「御姉様、それじゃあ」
「そうよ、ノリコ」
また微笑みノリコに話すカズミだった。
「二人で。地球に帰りましょう」
「はい!」
ノリコも笑顔で応える。こうしてだった。
二人で向かおうとする。その中でまた言うカズミだった。
「時間がないわ!」
「そうですね、もう」
「変形して突っ込むわ」
意を決した顔でだ。ノリコに告げる。
「いいわね」
「わかりました。それじゃあ」
こうしてだった。二人はそのバスターマシンの中に入るのだった。そこは。
「あれがですね」
「そうよ。バスターマシンの中心部」
その中心部を見ながらだ。二人で話す。
「そうなのよ」
「大きさは」
「三万分の一よ」
「そこまで縮小されているんですね」
「表面温度千六百度」
その熱も語られる。
「外圧一五六〇〇」
「ですか」
「大丈夫、まだもつわ」
「それじゃあ」
二人はいよいよ取り掛かろうとする。しかしそこに。
シズラーブラックが来てだ。二人に言ってきた。
「私も!」
「ユング!」
「どうして!」
「私もいるから」
悲痛な声でだ。ユングは二人に言うのである。
「だから」
「駄目よ!」
「帰って!」
二人はすぐにユングに言った。
「シズラーブラックじゃ!」
「この星の圧力には耐えられないわ!」
「実際に今も」
「そうやって」
爆発が起こっている。だがユングはそれでも言うのだった。
「構わないわ」
「そんな」
「それじゃあ」
「ずっと一緒よ」
声の悲痛さがさらに強くなる。
「そう言ったでしょ、だから」
「間違えないで」
だがその彼女にだ。ノリコは穏やかな声で告げた。
表情もそうなっている。それで告げるのだった。
「私達はね」
「死にに行くのではないの」
カズミもだ。ノリコと同じ表情でユングに話す。
「これからね」
「生きる為に行くのよ」
「皆が」
「当然私達も」
「だからこれはね」
「自殺じゃないのよ」
「けれど、けれどよ!」
ユングはだ。泣きじゃくりながらその二人に言う。
「こ
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