第百三十話 終わりのはじまり
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」
「何っ!?」
「九十八パーセントしかです」
それだけだというのだ。
「百パーセントには」
「何っ、そんな馬鹿な!」
「質量不足です」
副長の落胆しきった言葉は続く。
「こうなればです」
「こうなれば?」
「中心部で縮退連鎖を起こさない限りは」
「そうしないとか!」
「はい、爆縮ははじまりません」
そうだというのだ。
「これは失敗です」
「何てこった・・・・・・」
タシロもだ。がっくりと崩れ落ちた。
そのうえでだ。こう言うのだった。
「銀河の全てを賭けた結果がか」
「はい・・・・・・」
「これとは・・・・・・」
二人共崩れ落ちている。完全にだ。
「神も仏もいないのか」
「天がです」
副長も言う。
「我々を見放したのでしょう」
「そうか」
「そうかと」
「奇跡は起きなかったか」
タシロはこう言った。
「今敵はどうしている」
「その数一兆」
「まだそれだけいるのか」
「それに対して我々はです」
彼等はだ。どうかというのだ。
「殴り込み艦隊全体が全滅状態です」
「そして我々もだな」
「エネルギータンクはもうありません」
「損傷も酷い」
「全ての機体が、今いるのが不思議な程です」
「完全に終わりか」
タシロは呻いた。
「最早な」
「いいえ!」
しかしだ。ここでだった。
ノリコがだ。こう叫ぶのだった。
「奇跡は起きます!」
「奇跡!?」
「奇跡が」
「はい、起こしてみせます!」
「馬鹿な、タカヤ君」
「何をするつもりだ!?」
「バスターマシンにも大型縮退炉があります!」
彼女が言うのはこのことだった。
「それを使って起爆させれば!」
「馬鹿な、危険だ!」
「それはできない!」
二人もだ。それはすぐに断った。
「人が乗っているものをだ」
「点火線には使えない!」
二人は人命をだ。ここでも尊重していた。
「無人船を送り込む!」
「だから今は!」
「いえ、それは無理です」
ノリコも引かない。
「その前にです」
「その前に」
「どうというんだ!」
「敵の主力部隊が来て!」
そのだ。一兆の宇宙怪獣達だ。
「破壊されてしまいます!」
「ではタカヤ君」
「君は」
「はい、行きます!」
何としてもというのだった。そしてだ。
共に乗るカズミにもだ。こう告げた。
「御姉様!」
「・・・・・・・・・」
カズミは応えない。ここでは。
「バスターマシン二号機を!」
「分離させるのね」
「はい、私が行きます!」
カズミにもこう言うのだった。
「ですから御姉様はエルトリウムへ!」
「いいえ」
しかしだ。カズミはここでこう言うのだった。
「ノリコ、私も行くわ」
「えっ!?」
「聞こ
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