第百二十九話 思わぬ和解
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だ。炎と化して消えたのだった。こうして百億の大群を相手にした戦いは何とか幕を閉じたのだった。
そのうえでだ。会談となった。
バッククラン軍の面々はタシロ達にだ。こう言うのだった。
「今も信じられん」
「我等を救うなぞ」
「まさか。敵であった彼等に」
「本当にそうするとは」
「夢の様な話だ」
「何度も言うけれどな」
その彼等にだ。またコスモが話す。
「人間だからだよ」
「だからか」
「我等をか」
「そうなのだ」
「そうだよ。本当に何度も言わせるよな」
コスモも苦笑いと共に言う。
「あんた達もしつこいよな」
「ううむ。それはわかった」
「だが。我等はだ」
「最早だ」
「何の価値もないのだ」
「価値か」
ギジェがかつての同胞達の言葉に応えた。
「バッフクランの銀河も崩壊しているな」
「本星もだ」
「隕石雨によってそうなってしまった」
「最早あの銀河でも残っている者は僅かだ」
「バッフクランは崩壊した」
「我等の銀河と共にだ」
「それではだ」
その彼等にだ。ギジェはあらためて問うた。
「貴殿等はこれからどうするのだ」
「それもわからん」
「ここにいる理由も最早ない」
「それを考えれば撤退すべきだが」
「それでもだ」
「帰ることすらおぼつかぬ」
「それが今の我等なのだ」
その彼等にだ。シュウが声をかけた。
「宜しいでしょうか」
「むっ、貴殿は一体」
「ロゴ=ダウの者だな」
「はい、そうです」
その通りだとだ。シュウはまずは答えた。
「シュウ=シラカワといいます」
「それが貴殿の名か」
「そうです。それでなのですが」
「まさかと思うがその技術を持っているのか」
「我等が我等の銀河に戻るその技術」
「そして復興の技術を」
「ここに」
こう言ってだ。すぐにだった。
シュウはその手にパワーメモリーを持っていた。それをバッフクラン軍の将校の一人に差し出す。そのうえであらためて話すのだった。
「それの中にあります」
「地球のパワーメモリーか」
「この中にあるのか」
「我等の希望」
「その技術が」
「そうです。貴方達の事情はわかっています」
そのだ。崩壊の事情がだというのだ。
「隕石雨による崩壊ですね」
「そうだ。この銀河と同じだ」
「全てはな」
「では。それで充分です」
また答えるシュウだった。
「帰還も復興もできます」
「そうなのか。まことにか」
「我等は帰ることができるのか」
「そして復興できるのか」
「バッフクランを」
「その頃にはです」
彼等が彼等の銀河に帰る。その頃にはというのだ。
「今の騒ぎも終わっています」
「アポカリュプシス」
「それもまた」
「私達の勝利によって」
そうだとだ。微笑んで
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ