第百二十五話 シェリルの賭け
[8/8]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
男であれば」
そうであれば。
「こう思った悔しみ」
そして次は。
「カララがロゴ=ダウの男に寝取られた悔しみ」
この二つであった。
「この父親の悔しみを誰がわかってくれるか」
こう呟いてだった。彼は。
すぐにだ。艦橋に部下達を呼び伝えた。
「よいか」
「はい」
「どうされますか」
「全軍を集結させる」
バッフクランのだ。全軍をだというのだ。
「この銀河に展開している全軍をだ」
「そしてですか」
「そのうえで」
「ロゴ=ダウの者達と決戦だ」
こう言うのだった。
「ガンド=ロワで全ての決着をつける」
「わかりました。それでは」
「今より」
「全てが終わる」
ドバは強い声で言った。
「全てな。そうだ」
「?総司令、一体」
「今度は」
「ギンドロ氏だ」
己が撃っただ。彼の亡骸を見て話すのだった。
「自決した」
「自決されたのですか」
「まさか」
「そうだ。本星の壊滅を見てだ」
こういうことにするのだった。
「同胞の後を追い自決したのだ」
「そうされたのですか」
「本星と同胞に殉されたですか」
「そうだ。見事な最後だった」
友の名誉を守っての言葉だった。
「丁重に弔ってくれ」
「はっ、それでは」
「その様に」
「さらばだ」
運び出されるギンドロの亡骸を見てドバは最後に呟いた。そうしてそのうえでだ。彼もまた運命に赴くのだった。この銀河の運命に。
第百二十五話 完
2011・6・1
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ