第百二十三話 父と娘
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」
カララは銃を向けたまま毅然として言う。
「私の持つ銃で間違いなく」
「そうだというのだな」
「はい」
答えてからだった。
「父上の心臓を射抜くことができます」
「私を撃つのはいい」
ドバはそれはいいとした。
しかしだ。同時にこうも言うのだった。
「すぐに兵達に殺されるぞ」
「見るのだ、嬢ちゃん」
ギンドロも彼女に告げる。既に彼等の周りにはだ。
バッフクランの兵達が集っていた。そのうえでそれぞれ銃を抜いていた。
彼等を横目で見ながらだ。ドバは娘に話すのだった。
「それでもいいのだな」
「はい」
いいとだ。また答えるカララだった。
「お好きに」
「まだそう言うのか」
「しかしその代わりです」
「どうだというのだ?」
「イデの力は」
そのイデがだ。どうかというのだ。
「私達をここに導いたイデの力はです」
「その巨神の力か」
「私達に何かあれば」
その瞬間にはというのだ。
「何千もの仲間達、私達の仲間達をです」
「ロゴ=ダウの戦士達か」
「彼等をここに送り込んでくれます」
そうなるというのだ。
「ここは既に見張られているのです」
「イデの力はコントロール出来ぬ」
ドバもまた引かない。
「そう言ったのではないのか」
「はい、力を弱める為のです」
カララはその父に反論する。
「それはできません」
「ならばか」
「より強い使い方なら」
それならばだというのだ。
「できます」
「総司令」
ここでギンドロがドバに言った。
「ここはだ」
「どうだというのだ」
「退くのも手だ」
こう友に言うのだった。
「今はだ」
「何故だ、それは」
「嬢ちゃんが脅しを言っているとは思えん」
「では実際にか」
「目の前の連中がだ」
そのだ。ロンド=ベルの軍がだというのだ。
「一気にここに来ればどうなる」
「むっ、それは」
「この艦といえどもだ」
「沈められるというのか」
「総攻撃を受ければな」
そうなるとだ。ギンドロは言う。
「だからだ。今はだ」
「引き下がれというのか」
「そうだ。それも手だ」
「しかし軍はだ」
それでもだというドバだった。
「退くことはできん」
「しかしあの二人はだ」
カララとジョリバを指し示しての言葉だ。
「今実際にここにいるのだ」
「しかし私はだ」
「認めないというのか」
「何故話し合いなぞできる。異なる文明の者達と」
二人の指揮官が言い合う中でだ。カララは。
隙を見た。それでジョリバに告げた。
「ジョリバさん」
「そうだな」
ジョリバもカララのその言葉に頷く。
「今だな」
「はい、それでは」
そしてだった。カララの動きは速かった。
指揮官達の言い合いに戸惑う兵
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