第百二十三話 父と娘
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」
それならばだというのだ。
「あの船と巨神は抹殺しなければならん」
「それは違う!」
ジョリバが叫ぶ。
「イデは自分を守る力を備えはじめただけです!」
「そうです、それはです」
カララも話す。
「私達のコントロールを拒否しはじめたのです」
「だからといってもだ」
まだ言うドバだった。
「放ってはおけぬ」
「そうだというのですか」
「そうだ、異星人共がだ」
彼等が。彼から見て彼等がどうだというのだ。
「イデの力を以てだ」
「そんなことがあるものか!」
ジョリバが叫ぶ。
「何度言ってもわからないのか!」
「我等の緑なる母星を襲わぬ!」
だがドバは言う。
「それを誰が保証するか!」
「それは私が!」
カララが言うのだった。
「私が保証します!」
「馬鹿なことを!」
ドバは娘の言葉を一蹴した。
「裏切り者の命なぞだ」
「何だというのだ!」
「クズ同然だ!」
それだと叫ぶのだった。
「何の保証になる!」
「ロゴ=ダウの異星人であろうともです!」
しかしカララも引き下がらない。
「我々と同じです!」
「バッフクランとだというのか!」
「はい、全く同じです!」
こう言って引かないのだった。
「必ず理解し合えます!」
「何を根拠に言う!」
「根拠ですか」
「そうだ。何が根拠だ!」
「私です」
また言うカララだった。
「この私自身がです」
「またそう言うのなら」
「何故なら」
「何故なら。何だ」
「今私の中で」
己の腹に手を当てての言葉だった。
「新しい命が育っているのです」
「何っ!?」
「まさか嬢ちゃんは」
ギンドロも驚きを隠せなかった。
「子を身ごもったというのか」
「カララ、そんな」
「ええ、そうよ」
カララは父の顔を見据えたままジョリバに答える。
「私は。ベスの子供を」
「そうだったのか」
「だからこそ私は」
言えるというのだ。しかしだった。
ドバはだ。怒りを露わにして言うのだった。
「おのれ!」
「総司令!」
「せめてもの親子の情けだ!」
こう叫んでだった。銃を娘に向けて告げる。
「一思いに殺してやる!」
「何っ!?」
ジョリバがそれを見てまた言う。
「まさか!」
「動くな!」
「何を考えている!」
ジョリバはそのドバに対して言う。
「実の父親が子供を殺そうってのか!」
「アジバ家の名誉の為だ!」
「私もです!」
カララも銃を抜きだ。そしてだ。
父に銃を向けてだ。言うのだった。
「新しい命の為なら!」
「なっ、カララ!」
「嬢ちゃん!」
「父殺しの汚名も被りましょう!」
「馬鹿な、そんな」
「嬢ちゃんまで」
「カララ・・・・・・」
「この距離なら
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