第百二十三話 父と娘
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」
「イデがだっていうの!?」
「そうだ」
神宮寺はこうマリにも答えた。
「それしか考えられない」
「!?光の中から」
「誰か出て来ます」
麗と猿丸がモニターを見ながら話す。
「これは一体」
「あれは」
「カララさん!」
洸が彼女の姿を見て声をあげた。
「まさか。敵艦の中に移動した!?」
「それも一瞬で!?」
マリも驚きの声をあげる。
「若しこれがイデの力なら」
「イデは何を考えているんだ」
最早誰にもわからなくなっていた。この状況にだ。
不動もだ。腕を組んでこう言うしかなかった。
「最早こうなったらだ」
「どうするってんだよ、おっさん」
「見るしかない」
こうアポロに述べる。
「我々には見守ることしかできない」
「俺達の手を離れてるってことかよ」
「少なくとも今はそうだ」
アポロにまた話した。
「少なくとも我々はあの艦橋には行くことができないのだからな」
「その通りだ」
サンドマンもその通りだと言う。
「今は手出しすることはできない」
「ちっ、どうだってんだよ!」
エイジは歯噛みして言った。
「これじゃあイデの思うままじゃねえか!」
「いや、それは違う」
「思うままではない」
不動とサンドマンはエイジのその言葉は否定した。
「むしろ我々は自由に動ける」
「それを見られているのだ」
「動けるのを見られているっていうのかよ」
「そうだ。だから今はだ」
「迂闊に動くべきではないのだ」
こうエイジに言う二人だった。
「ここは彼女に任せよう」
「全ては」
そしてカララを見守るのだった。その彼女をだ。
見ればだ、カララとジョリバはだ。まずは艦橋の中を見回していた。
「ここは」
「わかりません」
カララはジョリバに答えた。
「しかしここはです」
「ここは?」
「どうやら」
前置きしてからの言葉だった。
「バッフクラン軍の艦のブリッジです」
「そうか、こうなっていたのか」
「はい、しかもです」
「しかも?」
「バイラル=ジン」
カララもこの名前を話に出した。
「それです」
「バイラル=ジン!?」
「バッフクラン軍の旗艦です」
それだとだ。カララはジョリバに説明した。
「その中です」
「何で急にここまで」
「それは」
全くわからないとだ。カララはジョリバに答えようとする。しかしだった。
ここでだ。カララはだ。彼等を見たのだった。
「えっ、そんな」
「御前はカララ」
「間違いない」
ドバとギンドロがそれぞれ言う。
「何故ここに」
「嬢ちゃんだな。間違いなく」
「父上ですか」
カララはだ。ドバの顔を見てだ。
意を決した。そのうえで彼にあらためて言うのであった。
「お久し振りです」
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