第百七十話 世界の中心でアイを叫んだケモノ
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ってのか!?」
「そう、失敗作だったのだ」
こう言うのだった。
「この宇宙はだ」
「馬鹿な、そんな」
「じゃあ俺達もか」
「失敗作になる」
「そうなるんだな」
「如何にも」
語るゲンドウの目は鋭い。
「その通りだ」
「今度は何が根拠なんだ」
「一体」
「何が」
「では聞こう」
また言うゲンドウだった。
「ヒトの革新と呼ばれたニュータイプ」
「そのことか」
「そうだ。これまでに何をしてきた」
こうアムロ達に問う。そのニュータイプ達にだ。
「これまでの戦いにおいてだ」
「これまでの戦いで」
「果てしなく続く戦いの環の中で」
その中でだというのだ。
「君達ニュータイプは戦争の道具として利用されてきたな」
「それは」
「その一面もある」
「しかしそれだけじゃない」
「私達は」
「互いをわかり合えると言われているニュータイプがだ」
ゲンドウは彼等の話を聞かずにさらに言う。
「傷つけあい憎しみ合う。それはだ」
「違うというのね」
「そうだ。人類の革新、進化ではない」
こうクェスにも言う。
「ヒトが不完全な群体である以上はだ」
「それならばか」
「俺達ニュータイプは」
「強化人間も」
「そうだ、強化人間も同じだ」
ゲンドウは強化人間も名指しした。
「ヒトの手による人工的な進化もその袋小路に入っている」
「俺達だな」
「そうだな」
ディアッカとイザークが気付いた。
「コーディネイターもか」
「そうだというのか」
「コーディネイターは出生率が低下している」
「確かに」
ニコルもそのことは認めるしかなかった。
「それがコーディネイターの問題にもなっています」
「メガノイドもそうだった」
「言ってくれるね」
万丈はメガノイドに対して言った。
「彼等も出すんだね」
「先天後天に関わらずその結果はあまりにヒトであり過ぎる」
そしてだった。
「今度は人が進化を促される立場に回ったのだ」
「一つ言っておこうか」
「どうした、破嵐万丈」
「人の姿と心を捨てたものは」
「何だというのだ」
「もうヒトとは言えないよ」
こうゲンドウに言うのだった。
「メガノイドだと同じだよ」
「それにな!」
今度は甲児だった。
「分かり合えるだの分かり合えねえだのな!」
「それがどうしたというのだ」
「人間ってのはぶつかり合って喧嘩してな!」
こう言うのだ。
「それを乗り越えてお互いを認め合うものじゃねえか!」
「そうだ!」
ケーンも言う。
「俺達はな!」
「完全に分かり合えなくてもな!」
「生死を共にする仲間がいれば!」
タップとライトも続く。
「それで生きていけるんだよ!」
「御互いそれでな!」
「十分だと思うんだが
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