第百十九話 もう一つの補完計画
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縛ってだ。
コクピットの中に入る。そのうえで。
「よし、これでいいな」
「後は!」
「シンジ!」
アポロがシンジに対して言う。
「目を覚ませ!」
「!?」
「これで御前はまた俺達と一緒だ!」
こうしてシンジを救い出そうとする。しかしだ。
この時だ。またしてもだ。何が起こった。それは。
光が全てを包むその中で。
「な、何だ!?」
「今度は!」
「一体何だ!」
「これは!」
「ATフィールドが」
マヤがその光の中で呟く。彼女達に起こっていたことは。
「皆のATフィールドが消えていくわ」
「そうね」
リツコがマヤのその言葉に頷く。
「私もよ」
「これが答えなの?」
マヤは光の中で自分自身に問うた。
「私が求めていた」
「はじまりと終わりは同じ世界にあるのだ」
まただ。彼等が言うのだった。
「よい、全てはこれでよい」
「ミサトさん、これは」
マリンがミサトに問う。
「何が起こっているのですか?」
「ATフィールドが消えていっているのよ」
ミサトはマリンにこう答えた。
「皆のね」
「ATフィールドって確か」
「エヴァや使徒だけが持っているんじゃないの?」
「それがどうして」
「俺達まで」
「ATフィールドはね」
ミサトはそのATフィールドについて話すのだった。
「誰もが持っている心の壁を」
「心の?」
「心の壁って」
「そうよ。言い換えればね」
どういったものか。ミサトはそのことも話した。
「人を個としてのヒトたらしているものだ」
「それがか」
「ATフィールド」
「そうだったんだ」
「じゃあ」
「俺達も持っているんだ」
「ええ、そうよ」
その通りだと話すミサトだった。
「それでそれがなくなれば」
「人がヒトの形を保っていられなく」
「そうして器をなくした心は」
「やがては」
「一つに」
「だからなの!?」
アムがここで言った。
「あたし今プルちゃん達と同じみたいに感じてるけれど」
「そうよ」
アムにも答えるミサトだった。
「そういうことなのよ」
「あたしがプルちゃんでプルツーちゃんで」
「あれっ、レトラーデさん?」
「美久、違う」
そのプルとプルツーもそれぞれ言う。
「何、これって」
「どういうことなんだ」
「くっ、まずい!」
サンドマンも事態を理解した。
「このままではだ」
「はい、誰もがです」
「一つになっていきます」
メイド達も言う。
「このままですと」
「本当に全てが」
「まさか」
レイヴンは下の十字架を見た。その十字架達を。
「あれは形を失いつつある人の魂」
「まるで墓場だな」
エイジもだった。
「そう言う俺も何か」
「おい、ミサトさんよ!」
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