第百十九話 もう一つの補完計画
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しはグリースさん限定よ!」
「似てる人としか一緒になりたくないわ!」
「そういうことよ!」
「僕は」
彼等の言葉を聞いてだった。遂に。
シンジはくゆっくりと。だが確かに目を開いた。
そしてだ。まずはこう呟いたのだった。
「僕は」
「起きた!?」
「やっと!」
「シンジに自我が戻った!」
「遂に!」
「シンジ!」
バサラがシンジに叫ぶ。
「歌え!」
「バサラさん!?」
「御前の歌を歌えーーーーーーーーーっ!」
「はい、じゃあ!」
シンジもだ。バサラのその言葉に応えてだった。
すぐにアクエリオンの腕の中からエヴァのコクピットに戻りそのうえで。
「僕の歌は、これです!」
「!?止まった!」
洸が言った。
「ライディーンからの警告が」
「じゃあこれで」
「世界の危機は」
去ったと思われた。だがこの時だ。
シンジは闇の海の中にいた。その場にだ。彼は一糸まとわぬ姿でいた。
その彼の前にだ。彼女がいた。やはり同じ姿だ。
「綾波・・・・・・?」
「・・・・・・・・・」
レイは答えない。シンジはその彼女に問うた。
「ここは一体」
「ここはLCLの海」
「LCLの」
「そう、生命の源の海の中」
そこだというのだ。
「ATフィールドを失った」
「僕達の心の壁を」
「自分の形を失った世界」
まさにだ。その世界だというのだ。
「何処までが自分で何処から他人なのかわからない曖昧な世界」
「それがこの世界」
「そう、何処までも自分で」
さらに話すレイだった。
「何処にも自分がいなくなっている」
「それがこの世界」
「脆弱な世界」
「それなら僕は」
その世界の中にいると聞いてシンジはすぐにこう思った。
「死んだの?」
「そう思う?」
「うん、そうじゃないの?」
「それが違うわ」
「僕は死んでいないんだ」
「全てが一つになっているだけ」
これがレイの説明だった。
「貴方の望んだ世界そのもの」
「そうなんだ。けれど」
「えkれど?」
「これは違う」
こう言うのだった。
「違うと思う」
「そう思うのね」
「僕の望んだ世界は。この世界じゃないと思う」
「それなら」
シンジのその言葉を受けてだった。
レイはだ。あらためて彼に告げた。
「貴方が他人の存在を今一度望めば」
「そうすれば?」
「また心の壁が全ての人々を引き離すわ」
そうなるというのである。
「また他人による恐怖がはじまるのよ」
「他人による恐怖が」
「それがはじまる。それでも望むの?貴方は」
「うん」
静かにだった。シンジは頷いた。
そしてそのうえでだ。こうレイに話した。
「いいんだ」
「そうするのね」
「うん、あそこではいやなことしか
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