第百十八話 死んだ筈の男
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である。
「一体何が」
「シンジ君いいわね」
「はい?」
「落ち着いて聞いてね」
こう前置きしての言葉だった。
「これはね」
「これは?」
「何者か。おそらくは」
「父さんが」
「おそらくね。その人がね」
あえて碇だと答えずにだ。そうして言うのだった。
「サードインパクトを起こそうとしているのよ」
「それをこのバルマーで」
「ええ、それも使徒ではなく」
彼等ではなくとだ。ミサトは話していく。
「エヴァを使ってね」
「あのサードインパクトを」
「地球では上手くいかなかったわ」
地球ではというのだ。
「それでもね。今はね」
「このほしで」
「バルマー戦役の時にもそれは起ころうとしていたわね」
「はい」
その時のことはだ。シンジもよく覚えていた。
それでだ。彼は言うのだった。
「あの時のことを」
「あの時はセカンドインパクトもあって」
「それも言ってくれましたね」
「そうだったわね。あれはね」
「あれは?」
「人に仕組まれたものだったのよ」
そのことをだ。今シンジに話すミサトだった。
「人に」
「ええ。そしてそれを起こした理由はね」
「どうしてだったんですか?」
「他の使徒が使徒が覚醒する前に」
「他の!?」
「そう、アダムを卵にまで還元することによって」
そうしてだというのだ。
「被害を最小限に食い止める為だったのよ」
「使徒、アダム」
「私達人間もね」
ミサトの言葉は続く。
「アダムと同じなのよ」
「アダムと?」
「そう、リリスと呼ばれる生命体から生まれたね」
「じゃあ。まさか」
「そうよ。使徒だったのよ」
人はだ。そうだったと話すのである。
「十八番目のね」
「そうだったんですか」
「驚いたかしら」
「いえ、それは」
「そうなの。落ち着いてきたみたいね」
「少しは」
こうミサトに答えるシンジだった。
「そうなりました」
「他の使徒達は別の可能性だったのよ」
シンジが落ち着いたのを見てからだ。ミサトは話を再開させた。
「私達とは別の根」
「そういえば使徒のDNAは」
「人と同じだったでしょう?」
「そうでしたね。どの使徒も」
今度はこの話になった。
「あれは人の形を捨てた人類の」
「僕達の」
「けれどね。同じ人間同士もね」
ミサトの目に悲しいものが宿った。
「御互いを拒絶sるしかなかったけれどね」
「ATフィールドですね」
「それでね。そうするしかなかったのよ」
「じゃあ一体」
「一体?」
「可能性は」
シンジがミサトに今問うのはこのことだった。
「それは何の可能性ですか?」
「滅亡から逃れる為の術よ」
それだと話すミサトだった。
「それからなのよ」
「そうした意味での
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