第百十六話 壊れゆく人形達
[1/18]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第百十六話 壊れゆく人形達
ルアフは宮殿の中を逃げていた。
身体がふらふらとしている。あちこちに傷を負っている。
そうしてだ。呻きながら言うのだった。
「まさかゲベルガンエデンは僕を」
よろめきつつ進みながらの言葉だった。
「力が」
そして言うのだった。
「力が抜けていく」
言いながらもだ。地下聖堂へと進む。豪奢かつ壮麗な宮殿の中をだ。
その彼の前にだ。彼女が現れたのだった。
「!」
「アルマナか」
「あの、陛下」
「生きていたのか」
「私も念者ですから」
こう答えるアルマナだった。
「この位のことは」
「何故ここに来た」
「あの、陛下」
傷を負っているルアフへの言葉だった。
「最早戦いの決着は着きました」
「いや、まだだ」
「ですから。もう何処かへと」
「落ち延びよというのか、僕に」
「あの方々も陛下がこの星を去られればです」
「そしてガンエデンを捨てればというんだね」
「はい」
こくりと頷いてだ。霊帝に答えるのだった。
「ですから。もう」
「ズフィルードの巫女アルマナ=ティクヴァー」
しかしだ。ルアフは答えずにだ。
彼女の名前を読んでだ。鋭い目になって言うのだった。
「御前の役目はだ」
「私の役目は」
「ズフィルードの力を維持する為に」
「ですからそれはもう」
「その魂を以て霊力を補充することだ」
餌を見る目でだ。アルマナを見ながらの言葉だった。
「ならばアルマナ、御前のその魂」
「ひっ・・・・・・」
怯えるアルマナを捕まえ。そうして。
「僕の為に使わせてもらおう」
こうして聖堂に着いてだ。ルアフは何かの力を入れた。しかしだ。
「なっ・・・・・・」
「陛下!?」
「ま、間に合わないというのか」
倒れ込みながらだ。言うルアフだった。
「力が、僕の力が抜けていく」
「これは一体」
「念を使い過ぎた様だな」
ここで何者かの声がした。
「ルアフよ」
「貴様は」
「シヴァーか」
「如何にも」
仮面の男だった。その男こそだ。
シヴァー=ゴッツォだった。聖堂に彼が姿を現したのだった。
彼はまずアルマナにだ。一礼してから述べるのだった。
「アルマナ姫もご健勝で何よりです」
「どうしてここに」
「シヴァー、貴様何故」
ルアフは倒れ込みながらも彼に顔を向けて言った。
「ここに来たのだ」
「・・・・・・・・・」
シヴァーはそのルアフに無言で歩み寄りだ。そうして。
その身体を引き起こしてだ。思いきり殴り飛ばしたのだった。
「ぐはっ・・・・・・」
「無様だなルアフ」
シヴァーは殴りつけたそのルアフに対して冷たく言った。
「これがバランの拳ならばだ」
「あの愚か者かい
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ