第百十五話 霊帝ルアフ
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第百十五話 霊帝ルアフ
アルマナを襲ったもの。それは。
雷だった。それがアルマナが乗る戦艦を襲ったのだ。
「姫様!」
「アルマナ!」
「アルマナさん!」
「人間が神に意見をする」
ルアフは落雷を落としたうえで言うのだった。
「あってはならないことなのさ」
「だからか!」
「だから今そうして!」
「アルマナさんを!」
「そうだよ」
怒るロンド=ベルの面々にだ。平然として言うのだった。
「アルマナ、君は少し図に乗り過ぎたようだね」
「馬鹿な・・・・・・」
バランはその落雷とルアフを見て唖然となっていた。
「陛下が姫様を」
「どうしだんだい、バラン」
「陛下!」
バランはルアフに対して問うた。
「姫様はバルマーの希望ではなかったのですか!」
「アルマナを失おうとも」
傲然な。そうした口調だった。
「代わりは幾らでもいるよ」
「代わりと仰いますか」
「この銀河に唯一無二な者」
それは誰かというとだ。
「僕、ルアフだけだ」
「そんな・・・・・・」
「バラン、君も用済みだ」
バランに対してもだ。こう言うのだった。
「ここで消えなよ」
「何て奴だ」
「とんでもねえこと言いやがる」
これにはだ。ロンド=ベルの面々も唖然となった。
「あれだけ忠誠を尽くしたおっさんに」
「そんなことを言うなんて」
しかもだ。ルアフの言葉はそれに終わらなかった。
彼はだ。こうも言うのだった。
「シヴァーよってこの星から逃げ出した民も同様だ」
「自分の民までだっていうのかよ!」
「何十億の人達まで」
「そう言うなんて」
「アポカリュプシスに飲まれるがいい」
こう言うのだ。
「僕はこの星に残りし者を守り」
「そしてかよ!」
「どうするってんだ!」
「再びこのバルマーに銀河の覇道を歩ませよう」
「陛下!」
たまりかねた様にだ。バランはまたルアフに問うた。
「陛下にとって民とは」
「民かい?」
「バルマーとは何なのです!?」
「僕の使命はバルマーの民を絶やさぬことだけだ」
それだとだ。ルアフは答えるのだった。
「たった一人でも生き残らせれば僕の使命は果されたことになる」
「何十億が死のうともですか」
「一人一人の生死までは関知しないさ」
こうだ。傲慢そのものの態度で言い放つのだった。
「兵も将も必要なら」
それならばだというのだ。
「造ればいい」
「!?というと」
「やはりか」
「これまでのバルマーの将兵は」
「そうさ、そこにいる忠実な人形達の様にね」
こうロンド=ベルの面々にも言う。
「七人のジュデッカ=ゴッツォ達は」
「あの七人はまさか」
「ジュデッカ=ゴッツォの」
「クローンだっていうのか」
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