第百十二話 取り戻した仲間
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。
そこはだ。暗い玄室だった。その中にだ。
カプセル状の水槽が見える。二人が今見たのはそれだった。
「何だここは」
「アヤ!」
レビが彼女を呼ぶ。
「何処にいるの!?」
「ここよ」
ここでだ。アヤの声がした。
「ここにいるわ」
「!?」
「何処だ!?」
「全ては遅過ぎたのよ」
またアヤの声が二人に聞こえてきた。
「残念だけれど」
「、あ。まさか」
「それは」
水槽の中にある闇。それを見てだった。
二人は驚愕を覚えた。悪寒と共に感じ取ったのだ。
「今のアヤの」
「姿だというのか」
「バルマーに捕らえられた私は」
水槽の中からだった。アヤの声が聞こえてきていた。
「その念動力の素質を買われ」
「まさか、奴等」
「アヤを」
「そうよ。実験体となり連日の過酷な実験で」
「身体が」
「嘘だ・・・・・・」
「本当のことよ」
また言うアヤだった。
「それでも私は死ぬことを許されず」
「くっ、そんな・・・・・・」
「こんなことになるとは」
「こんな姿になってもバルマーの為に」
「アヤ・・・・・・」
「何ということだ・・・・・・」
「どうして早く来てくれなかったの」
アヤの言う言葉ではない。だが今の二人は気付かない。
「私は」
「済まない・・・・・・」
「こうなるとは・・・・・・」
「リュウ」
そのアヤの声がリュウセイを呼んだ。
「貴方はどうしてあの時」
「ハザルに」
「そうよ。どうして無謀に挑んだの?」
「それは・・・・・・」
「貴方のせいで」
やはりだ。アヤの言葉ではない。
「私はこんな姿になってしまった」
「すまねえ、アヤ」
リュウセイは謝るしかなかった。
「俺は、俺は」
「幾ら詫びられても」
アヤのふりをした何かはまた言う。
「私はもう以前の私には戻れない」
「アヤ・・・・・・」
「レビ、本当なら」
それはレビにも言ってきた。
「本来ならこれは貴女の役目」
「そうだった、それは」
「貴女が地球に入ったから」
それでだというのである。
「その役目が私に回ってきたのよ」
「済まない・・・・・・・」
「貴女は今はマイ=コバヤシ」
このことについても言う。
「レビ=トーラーでいられれば」
「ああ・・・・・・」
「貴女はレビ」
また言うそれだった。
「レビ=トーラーでなくてはならない」
「そう、それは」
「そうでないと私は」
「私が、私が」
レビ、いやマイ=コバヤシは自責の念に覆われてしまった。
「私の存在がアヤを・・・・・・うわあああっ!」
「いいのよ、レビ」
それがまた言う。
「もう全てが終わったのだから」
「ああっ、あああああっ!」
「くっ、駄目だ!」
苦しむマイを見
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