第百十二話 取り戻した仲間
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「ちっ、これは・・・・・・」
「勝負ありだ!」
またバランが叫ぶ。
「エツィーラ、貴様は敗れたのだ!」
「あたしが、地球人に負けたってのかい!」
「その心に負けたのだ!」
それでだというのだ。
「それがわかったか!」
「くっ!まだだ!」
しかしだ。まだ言うエツィーラだった。
マシンが大破しながらもまだ立ってだ。そうしてだった。
「ここは撤退して機を」
「させるか!」
しかしだ。リュウセイは見逃さなかった。
「手前だけは!ここで!」
「ひっ!」
「アヤ!マイ!」
リュウセイは二人にも声をかけた。
「やってやれ!」
「わかった!」
「ここは!」
二人も頷きだ。そうしてだった。
「エツィーラ=トーラー!あの時の恨み!」
「私達の念で!」
「ここで全て終わらせる!」
「邪悪を!撃つ」
今まさに攻撃を浴びせんとする。しかしだった。
その前にだ。エツィーラは逃げてしまった。そのまま何処かに消えてしまったのだった。
「消えたかよ!」
「逃げ足の速い奴だ」
リュウセイとライが忌々しげに言う。
「あそこまで追い詰めたってのによ」
「去るとはな」
「しかしだ」
悔しがる彼等にだ。ヴィレッタが言う。
「最早あの女に何の力もない」
「じゃあ無理して倒す必要はないってのかよ」
「そうだというのですか」
「左様、その通りだ」
バランもリュウセイ達に話す。
「最早あの女はバルマーの民ではない」
「じゃああのままか」
「もう何の力もないのか」
「そうだ。今の戦い見事だった」
それは認めるバランだった。そのうえでだ。
彼等の前に近衛軍と共に立ちだ。こう告げたのである。
「そしてだ。よいな」
「あんたも戦うってんだな」
「その通りよ」
こうトウマにも答える。
「このバラン=ドバン本星の最後の護りとして御主等に戦いを挑む」
「ああ、わかったぜ!」
トウマが最初に彼の心を受けた。
「ならだ!ここはな!」
「来い!正々堂々と勝負しようぞ!」
バランはまた告げた。
「そのうえで御主等を防いでみせようぞ!」
「じゃあ俺達もだ!」
トウマも言う。
「あんたを倒して、行ってやるぜ!」
「来るがいい!」
こうしてだ。本星の最後の護りとの戦いがはじまった。それはまさに拳と拳、戦士と戦士の戦いであった。それが幕を開けたのである。
第百十二話 完
2011・4・6
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